個人用FX口座と法人用口座の徹底比較
法人口座と個人口座のどちらでFXに取り組めば良いか気にならないでしょうか?
法人用のFX口座は個人口座よりも最大レバレッジと税制面に優れていますが、個人口座には見当たらないデメリットもあります。法人口座と個人口座のどちらを利用するかを考えるためにも両者の相違点を正しく把握する必要があります。
このコンテンツでは法人用のFX口座を作ることがプラスに働くかマイナスに働くかを考えてもらうために法人口座のメリット、デメリット、相性が良い人についてまとめてみました。
法人口座の4つのメリット
上限レバレッジが高い
レバレッジ規制によって個人口座では25倍までのレバレッジしか利用できないようになっています。一方法人口座は、個人口座と違ってレバレッジ規制の対象外ですので25倍を超えるレバレッジを使うことができます。
ちなみに国内の多くのFX業者は法人口座の最大レバレッジを100倍~200倍にしています。FX業者が自主的に上限レートを定めているので自由に高レートが使えるわけではありませんが、個人口座よりははるかに規模の大きな取引を行えます。
最長9年の損益合算
法人口座を設立するメリットの1つとして最長9年間の損益合算があります。この損益合算というのは過去の損失を次年度以降の課税対象金額の減額に使える制度です。
例えば一昨年が損失500万円、去年が損失200万円、今年が800万円の利益を出したとすると、
500万-200万+800万=100万
となり、本年度の課税対象金額は100万円となります。とてもお得だと思いませんか?
必要経費を圧縮できる
FX関連に使った出費のほとんどを必要経費として計上できるのも法人口座のメリットの一つです。
例えば使用しているパソコン、ソフト、勉強した書籍、資料として印刷したコピー用紙代などは経費として計上できます。これは個人口座ではできないことです。
他の事業所得と損益通算できる
すでに法人を持っていて、何か別の事業を行なっているという人は法人口座を開設すれば損益通算を利用できます。
損益通算を利用すれば、FXで発生した損失額を他の事業で生まれた所得から差し引くことができるのです。
例えばFXでの損失が200万円、他の事業での収益が500万円とすると、「500万-200万=300万」となるので300万円だけを収益として申告すればいいのです。
知っておきたい 3つのデメリット
設立時や維持に経費がかかる
個人口座と違って法人口座はFXで利益が出ていなくても毎年一定の税金の支払いが必要になりますし、口座開設時に初期費用がかかることがあります。
法人住民税は赤字であっても納めなければいけませんし、法人を設立する際には登記代と資料作成代などで20万円以上のお金がかかります。
初期費用と毎年のランニングコストを考慮した上で法人口座を開設するメリットがあるのでしたら迷わず法人化してしまうことをおすすめします。
益合算で税率が上がることがある
事業主にとって法人用FX口座の損益合算は都合がよいものですが、時としてマイナスに働くことがあります。
FXで利益が発生するとその利益額は他の事業の利益と合算することになるので法人税の税率が上がる可能性があります。詳しい税額計算に関しては税理士をはじめとした税金の専門家に相談してみるのが良いでしょう。
含み益、含み損の評価
法人用のFX口座は決算のときに決済していない取引があっても、含み益、含み損が時価評価されることになります。
「含み益、含み損って何?」という方もいると思いますので簡単に説明します。
含み益とは売却したら利益が出るポジションのことで、含み損とは売却したら損失が出るポジションのことを指します。
個人用のFX口座ですと確定していない損益は利益にも損失にもならないのですが法人用のFX口座ですと損益に繰り込まれます。含み益は利益、含み損は損失に計上されるので個人口座と比べて税金額が増える恐れがあります。
こんな人には法人口座がおすすめ
ここまでの内容を踏まえると法人口座の開設をした方が良い人というのはこれから紹介する3つのタイプの投資家の方々となります。
- FXで大きな利益を出している人
- 他の事業を行なっていてすでに法人を所有している人
- 投資に熟練していている人
一方で個人口座が向いているのはこれから紹介するタイプの投資家の方々です。
- 投資初心者でまだ利益が少ないorマイナスである
- 法人を設立、維持するような手間や資金の余裕がない
- 高いレバレッジをFXで使う予定がない
法人用のFX口座にも個人用のFX口座にもメリットとデメリットがあるのでどっちの口座が良いかはあなたの状況次第になってしまいます。
ちなみに筆者イチオシのFX口座は国内の個人口座でも法人口座でもなく海外のFX口座です。
海外の個人用FX口座は国内の法人口座よりもレバレッジ上限が高い上に損失時のリスクも小さく収まります。
前者のレバレッジ上限に関しては多くの法人口座の上限レートは400倍以下ですが、海外の個人口座ですと500倍を優に超えるものも少なくありません。
後者の損失リスクに関しては、海外の個人口座の最大損失額はFX口座に預け入れた金額と規定されています。法人口座と違って100倍を超えるような高レバレッジを大幅な損失リスクを背負わずに使えるのです。
海外の個人用FX口座は法人口座よりもリスクの面でも上限レバレッジの面でも優れているので多くの個人投資家の注目を集めています。このページでは特に触れていない海外FX口座の特徴についてはこちらのページで詳しく特集しています。