スキャルピングをFXで使いこなすコツやポイント
多くのFXトレーダーがよく使う手法の中に、スキャルピングというFX手法があります。スキャルピングは、FXにおいて5pips程度の利益を薄く薄く剥ぐように獲得していくという意味のFX手法。
ポジションを持ったあとプラスになったら or マイナスとなる前に利食いするというシンプルなルールがスキャルピングの基本。スキャルピングとは、スイングはおろかデイトレよりも短い時間で行われるFXのことを言います。そのため、四六時中チャートに張り付いてエントリーのタイミングをうかがえる、プロの専業FXトレーダーが行うという印象も持たれています。
スキャルピングのイメージとしては、FXの薄い利益をレバレッジで厚くし、損が大きくなりそうなら広がる前にすぐにロスカットするというものです。薄利トレードのためスキャルピングで多くの取引回数をこなし、たくさん勝つことで利益を稼いでいくFX手法です。このスキャルピングとレバレッジをかけ合わせたFX手法は、最も簡単に稼ぎやすいFX手法と言われています。
しかし、実は国内FX業者をはじめスキャルピングを禁止している業者少なくありません。国内口座でスキャルピングをしてたくさん稼いでいたのに、口座を凍結されたというトレーダーもよく聞きます。
そこで今回はスキャルピングの禁止されていないFX業者や、スキャルピングの手法やテクニック、メリットなどをじっくりと解説していきます。
目次
それではどうぞ!
FX初心者がスキャルピングで勝てるコツはあるか
スキャルピングはトレンドラインやテクニカル分析でFX相場を予想してトレードをするというより、チャートの動きに合わせて売り買いする、良いタイミングでエントリーやエグジットするというのが大事なFX手法です。したがって、FXのテクニカルな分析知識を豊富に持たない初心者でも良い成績を収めるチャンスが十分にあります。
FX相場の動きに合わせてトレードするため、レンジならまだしも、FXの相場としては動きがないチャートの方がスキャルピングは難しくなります。ボラティリティの大きなユーロやポンドなどに絡む通貨ペアや、経済指標発表時のように大きくチャートが動くときの方が理論上はスキャルピングをするには良い環境と言えます。
ただし、ユーロやポンドに絡むペアはさておき、経済指標の発表時などはスプレッドが大きく広がり下手すると失敗や大損するデメリットがありますし、スリッページも多発する傾向にあります。そもそもスキャルピング歓迎を謳っているFX業者の中でも、経済指標発表時のスキャルピングFXだけは禁止しているという利用規約を設けているFX業者はかなり多くあります。スキャルピングトレーダーを目指すならこの点は特に注意した方が良いでしょう。
さて、続いてはスキャルピングFXを行う上で、大きな利益を狙っていくためのポイントを話します。
レバレッジを使って大きな利益を狙うのがポイント
超短期型のスキャルピングFXは、ハイレバレッジで大きなポジションサイズを持つことで、1~5pipsの利ザヤでもある程度の利益を確保することができます。国内FXなら証拠金のマックス25倍のポジションを持つことができますし、海外FXなら100倍~1000倍のポジションを持つことができますね。
1回のFX取引で大きな利益を狙う必要はなく、特におすすめすることはありません。1回のスキャルピングFXで大きな利益が出てしまうということは、1回のスキャルピングFXで大きな損失も出る可能性のあるポジションサイズを設定してしまっていることになります。
大きな損失を回避するためには、1回のスキャルピングFXで得られる利益を少なく設定してもいいでしょう。例えば、元手10万円の運用なら1回のスキャルピングFX取引での利益は1000円でも十分です。あまりに少ないと思う方もいるでしょうが、次の章でもう少し詳しく説明します。
いずれにせよ得られる利益は1回のスキャルピングでは少ないですが、日に何度もスキャルピングFXで取引することによって小さな利益積み重ねていきましょう。これによって、大きな損を回避しながら小さな利益を重ねて大きな利益を狙っていくことができます。
先に話したように、億の資金運用を目指すFXトレーダーにとっては1回のスキャルピングFXで1000円しか儲けられないなら、勝率100%で10万回勝たなければ億に届かないだろ!と思う方もいるでしょう。負けない自動のFXツールでも一生FXをやっていても無理だと、そんな考え方にもなってしまいます。
実際には、そんなことはありません。ここからはスキャルピングFXの真の威力について説明していきます。
複利を使ったテクニックで利益を激増させる手法
スキャルピングFXは、デイトレードや特にスイングトレードFXと比較して、複利を最適に利かせることができます。
複利とは単利と対比される言葉で、複利と単利を簡単に説明すると・・・
- 単利:元手と損益が変動しない
- 複利:元手と損益が変動する
というものです。
先の例から簡単に説明すると、FXの元手10万円のうち1回のスキャルピングの利益を1000円とし、1億円儲けるために10万回スキャルピングFXで勝たなければいけないのが単利運用。しかし、複利運用のFXなら、10万円の元手で1000円勝ったとき、この元手の10万に利益の1000円を足して元手を10万1000円とネズミ算式に増やしていくことを言います。
このように複利運用でFXをすると、10万円で最初の利益1000円からはじめて、たったの695回勝つだけでいいのです。もう少し分かりやすく言うと、10万円に対して1日平均2000円程度FXで勝てるなら、1年で10万円の資金が1億円になるということ。
複利運用はFXもとい資金運用の基礎とも言えますが、この複利運用がスキャルピングFXと相性が良いのは、小さな利益でも細かく利確していくからです。スキャルピングFXでは小さな利益を利確するごとに元手に足していくことが可能。ほんの少し利益をあげるたびにほんの少しずつポジションサイズをあげいけば、スキャルピングFXは最高効率を維持できます。
スイングトレードFXのように、長くポジションを持つトレードだと一度ポジションを整理限りレバレッジの計算上他に大きなポジションが持ちにくいという側面があるからです。
また別の言い方をすればスキャルピングFXはお得で無駄がないとも言えます。
損失回避のコツ。おすすめの手法やテクニック。
ここからはスキャルピングでFXをするにあたって、よりテクニカルな手法について話していきます。
損失を回避するコツ。ブレイク損切手法
スキャルピングFXでは、見切りを素早く行うことで損失の拡大を回避することができます。
しかし含み損や含み益が増えたり減ったりするかを読むのは難しいことです。なので、FXチャートにおいて目安のなるポイントを見つけてスキャルピングに臨んでみましょう。
例えば直近の高値や直近の安値です。FXにおける相場は上がるにせよ下がるにせよ、一定で上がりっぱなしや下がりっぱなしということはありません。細かく上下しながら値を推移させます。この上下は直近の高値や安値で切り返すことが多いのです。
したがって、直近の高値に達したらショートエントリー、切り返して下がったら利確決済、その高値を超え(ブレイク)ていったら損切決済というようにスキャルピングFXを行えばいいでしょう。反対に、安値のときはロングエントリーを狙うなどですね。
手動で損切りするのも悪くないですが、できればなるべく逆指値を入れて損切りしましょう。
続いてはポジションサイズを徐々に上げて勝率を上げる手法です。
3連制限マーチンゲール手法
このマーチンゲール手法は、損益の小さいスキャルピングFXととても相性のいいFXの手法です。
やり方は簡単で、スキャルピングFXの一回の取引で損が出たら次の取引でポジションサイズ(枚数、ロット数)を倍にするというものです。
しかし、際限なく倍にしていくといつか元手がなくなるほどの大きなギャンブルFXとなってしまうので、3連敗でポジションサイズをはじめのものに戻し負けを確定させましょう。
マーチンゲール法に3連敗しなければすべて勝ちとなり、スキャルピングFXによる複利運用が効率化します。
さて、ここまで手法について話してきましたが、今度はレバレッジ設定の目安について話していきます。
ハイレバ会社が基本。ポジションサイズを選ぶポイント
デイトレードやスイングトレードのFXと同様、スキャルピングFXにおいてもポジションサイズに気を配る必要があります。ここでいうポジションサイズとは、FXの元手=証拠金に対してどれくらいの大きさかという、つまりは実効レバレッジを指します。
さて、スキャルピングで適切な実効レバレッジが何倍であるかを考える際に参考になる3つのポイントをまとめてみました。
- 1回あたりの利幅は5pip前後
- 小さなレバレッジでは稼げない
- レバレッジは高い程よい
これらを踏まえると・・・
少ない値動きで稼げるポジションサイズは?
スキャルピングFXでよく使われる数十秒~十数分程度の時間帯で狙える値動きは1~10pips前後。小さなレバレッジではほとんど利益が発生しません。例えば1ドル100円のレートの時に10万円に相当する1,000ドルを買うケースを考えてみましょう。
1,000ドルを保有している時に1ドルあたり0.1円の利益が出れば、トータルの利益額は100円になります。10万円の元手でFXに取り組んだのに100円しか利益が発生しないというのは少々物足りないと思わないでしょうか。
物足りないと仮定してより高いレバレッジを使ってスキャルピングFXに取り組んでみるとします。
例えば100倍のレバレッジを使った場合は、10万円の証拠金で1000万円に相当する10万ドルが手に入ります。10万ドルを保有しているので、1ドル単価が0.1円上がれば、一回のスキャルピングで1万円の利益が発生します。
この1倍のレバレッジと100倍のレバレッジのケースで明らかなようにスキャルピングで十分な利益を出すためにはある程度のレバレッジを使う必要があります。
コツは10倍以上のレート
元手に対しておよそ10倍、マーチンゲールを使うなら100倍のポジションサイズ(実効レバレッジ)でスキャルピングFXを行うといいでしょう。もちろん常に10倍、100倍のポジションサイズでスキャルピングFXを行う必要もありません。
スキャルピングは超短期間でポジションを手放すので、タイミングが悪ければエントリーを見合わせてもいいでしょう。相場の動きがいいときだけ、10~100倍超のポジションで利益を狙うスキャルピングFXをしても良いですね。
おすすめFX口座。スキャルピング禁止ではない会社
ここまで、スキャルピングFXのメリットやスキャルピングFXに適したポジションサイズ(実効レバレッジ)、損失回避の手法やテクニックを説明してきました。
国内FXでは25倍までのレバレッジしか使えないので、大きなポジションを持てず、スキャルピングFXの効率や自由度は下がってしまいますが、25倍までなら今のところ問題なくスキャルピングFXはできることでしょう。しかし国内FXでのスキャルピングには2点問題があり・・・
- 多くの国内FX業者がスキャルピングを禁止
- 最大レバレッジが2018年から10倍に規制
このようになっています。順に説明します。
国内ではスキャルピングを禁止しているFX業者が多い
スキャルピングの禁止の理由は、国内のFX業者自体が嫌っているためです。
利用規約において国内FX業者がスキャルピングFXを禁止する理由はサーバーに負担が掛かるなどという名目が多いです。実際には、FXトレーダーの損がFX業者の利益となるような利益相反構造のために、営利企業が顧客の損失を露骨に望んでいるという印象があるというのが正直なところです。
利益をあげるFXトレーダーがスキャルピングトレーダーだとカバー取引ができないというのも理由の一つではありますね。
このスキャルピングの禁止はFX会社の裁量で決まっていましたが、レバレッジの規制に関しては日本の金融庁の取り締まる金融法にあります。
最大レバレッジが2018年から10倍へ
国内のFX業者の最大レバレッジを規制するのは、日本の金融庁です。
過去に国内FX業者も最大レバレッジが400倍程度でしたが、2010年から2011年にかけて50倍、25倍と規制されてしまいました。2017年の9月末には2018年より最大レバレッジは10倍程度に規制されるという話があります。
それではどこでスキャルピングFXをすればいいのでしょう?
スキャルピング禁止でないFX業者
国内FX業者でなく、海外FX業者であるならレバレッジやスキャルピングの規制がほとんどありません。国内FX業者が日本の金融法にのっとり日本の金融庁に認可を得た業者であるなら、海外FX業者は海外の金融庁に認可を得たFX業者。
海外FX業者は、スキャルピングFXと相性のいいハイレバレッジが持ち味。FX会社によっては、最大1000倍のレバレッジで大きな利益を狙うこともできます。
さらにほとんどの海外FX業者がスキャルピングを禁止していません(基本的には指標発表時を除く)。海外FX口座を用いればスキャルピングFXを自由にすることが可能ですね。他には借金なしのFX口座システムなど、日本の金融法に縛られない自由なシステムもたくさんあるので、見ものです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
冒頭で話したように、スキャルピング禁止の国内FX口座でスキャルピングをしてしまい、波に乗って稼ぎまくっていたのに口座が凍結されたなんて話はよく聞きます。
スキャルピングをする際には、しっかりとFX口座を吟味すると良いでしょう。