専業トレーダーへの道。資金の計算など
専業トレーダーとは、働かずにFXや株などのトレード(投資)で生活資金を稼ぐ人のことを言います。
専業トレーダーと言っても
- どれくらい稼げるんだろう?
- 年収はいくらになる?
・・・といったことや、専業トレーダーになるためには・・・
- 元手はいくらの資金が必要?
- 何をどうすればいいの?
などなど・・・よくわからないことが多いですよね。
専業トレーダーの年収や元手となる資金はピンキリです。理由はその専業トレーダーが生活していくのにかかる生活費の多さや、トレードの成績によって元手となる資金や年収は変わってくるからです。
これを計算するのはさほど難しい話ではありません。
目次
さらにこの記事の最後の見出しでは、実際に億を稼ぐトレーダーへのインタビューを掲載しています。さきに読みたい方は>>こちらをクリック。
それでは説明していきます。
専業トレーダーになるための必要資金は?
専業トレーダーは一言で言えば投資家です。専業トレーダーが投資家である以上、生活資金を稼ぐにはやはり元手となる資金が必要。
そこで専業トレーダーになるためにはいくらの元手が必要となるか考えてみましょう。
専業トレーダーになるために必要な元手
専業トレーダーになるために必要な元手となる資金は最低でも1000万円。
専業トレーダーとして最高の能力を持っていたとしても、最低1000万円の資金がないと専業トレーダーになるのは難しいです。
専業トレーダーとしてある程度安全に資金を運用するのであれば、5000万円はないと余裕は持てません。
1000万円~5000万円という資金は大金ですが、専業トレーダーになるためにはなぜこれほど多くの資金が元手として必要になるのでしょうか?
大きな元手が大きな利益を生む
FXや株のトレードは、投資額によって利益や損失が決まります。投資資金を倍にすれば利益も倍になりますし、投資資金を10倍にすれば利益も10倍になります。
もう少し言うと、1年間で元手の資金を2倍にできる専業トレーダーに100万円の資金を渡せば100万円の利益を生みますが、同じ専業トレーダーに1億円の資金を渡せば1億円の利益を生むということですね。
これを反対に言うと、資金1億円を1年で2億円に増やした専業トレーダーがいるとして、まったく同じ投資手法で100万円の資金しかなければ100万円の利益しか生めないということになります。
年間1億円と100万円では天と地の差がありますが、専業トレーダーにとっての元手の資金とはまさにこのようなものだと言えます。
少ない元手で大きな利益を望むほど難しい
別の角度で計算してみましょう。
専業トレーダーにとって必要最低限の生活費を仮に300万円だとします。
この元手となる資金が1000万円の場合、この専業トレーダーは毎年平均30%の利益を生む必要があります。さらに言うと、はじめの年で利益を生み出せなかったとしても、生活費の300万円は無くなり元手の資金は700万円となってしまいます。
次の年も専業トレーダーとして生きていく場合、今度は元手の資金700万円でトレードをしていかなければなりません。700万円の資金で年間300万円の利益を生むためには年間43%の利回りで資金を運用する必要がありますね。
5年間の通算で平均30%の利回りという成績を残せたとしても、1年目の成績が悪いと資金が減るということ。専業トレーダーの実力は年をまたいでの通算成績で計られますが、いくら腕のいい専業トレーダーでも1年目で良い成績を残せるとも限りません。
こういった観点から、専業トレーダーはできれば5000万円の資金があると良いということになります。5000万円の資金があれば、年間平均6%、月間平均0.5%の利益さえ出せればとりあえず暮らしていけます。
5000万円も貯める必要なし!
しかし5000万円もの資金をこつこつ貯めていたら、専業トレーダーになる前に寿命が強制ロスカットされそうですね。
まず、誰かに養ってもらっている人であれば、ただちに専業トレーダーになることが可能。ニートや専業主婦のような、投資資金に手を付けなくても暮らしていける人を指します。とにかく、運用資金にさえ手をつけないのであれば、元手の資金は10万円からでもじっくり増やしていけます。
とにかく専業トレーダーの使命は運用資金を増やすことで、禁忌は運用資金を減らすことだということです。特にトレード以外で運用資金を減らすことは極力避けるべきものです。
だからこそ運用資金以外で生活費を賄える、つまり他に仕事を持っている兼業トレーダーの方が有利で、専業トレーダーが厳しいのだと言えます。
専業トレーダーを目指す方は、運用資金が増えるにつれ持っている仕事の量と給料を減らしていき、少ない給料を確保しつつ本業をトレードに移行しくのも良いでしょう。
デイトレーダーの年収。いくら稼げる?
さて、先ほどは元手の資金とあわせて、専業トレーダーの収入が元手の資金をどれくらいに増やせるか腕によって決まるという話もしました。
したがって専業トレーダーの年収はピンキリと言えます。
専業トレーダーの7割以上年収500万円以下?
JSDA(日本証券業協会)の調査報告書によると、個人投資家のおよそ7割以上が年収500万円以下となっています。
元手となる資金も多ければ専業トレーダーの年収も多くなるのでしょう。つまり専業トレーダーは元手の資金を増やせば年収も増えます。
専業トレーダーの元手を増やすには、生活費以上を大きく稼ぐ必要があります。
今日使った1万円、10年後のいくら?
お金を増やせる専業トレーダーにとって、今日使った1万円は1万円以上の価値があります。
例えば1年で1万円を2万円にできるトレーダーにとっては、1万円は1年後は2万円、2年後は4万円・・・と10年後には1024万円となります。
つまり、このトレーダーにとって今日1万円を使うということは、10年後の1,024万円を使うのと同じということですね。
なぜこんなことになるかというと、お金というのは複利で増やせるという特徴があるからです。
1年で元手の資金を2倍にできなかったとしても、複利の威力はとてつもないものがあります。あるいは、今日使ったのが1万円でなく10万円だとしたら・・・
ということで、専業トレーダーほど自分の資金に真摯で、出費や損失に対して厳しくある必要があるのです。
【資金管理の話】メンタルとお金の不安
専業トレーダーほど自分の資金にシビアでなければならないと話しました。
そこでもう少し資金に関してもう少し説明していきましょう。
ありったけの資金でトレードしない
元手の資金が多いほど利益が稼げる専業トレーダー。それなら、ありったけの資金を全部トレードにつぎ込めばいいのかということも考えられます。
しかし、例えば資金1億円の専業トレーダーAさんによる1000万円の投資と、資金1000万円の専業トレーダーBさんによる1000万円の投資では、意味合いがまったく異なります。
この場合Aさんは失敗しても専業トレーダーを続けられますが、Bさんが失敗した場合は専業トレーダーを続けることはできません。その理由は元手となる資金がなくなるからですね。
元手の資金がなくなる=専業トレーダー廃業
専業トレーダーなど、回数が多く不確定性の強い投資に挑む投資家は、ある局面では投資で失敗することも想定しなければなりません。
別の角度から言えば、投資に失敗することもあるとも言えますし、ある局面では必ず失敗するとも言えますし、投資に失敗しても良いということも言えます。
専業トレーダーの仕事は、言い換えると、資金を(長期的に)最大化させること。元手の資金がなくなった場合は、もはやトレードはできないので専業トレーダーではなくなります。
最悪の事態が起きても破産を絶対に回避する
専業トレーダーは究極の結果主義的な生き方になります。
あのロスカットさえなければ、あのときあと1円動いていれば、あのとき利確していれば、あのとき投資を回避していれば、こういう後悔は残念ながら1円の足しにもならない世界・・・。
利益のみを純粋に追及する専業トレーダーは、投資の転がり方によっては、最悪のケースが続くことも覚悟しています。
そして最悪のケースが起こったとしても、致命傷とならないように資金(投資額)を調整管理すること。
どれほど運が悪さが重なったとしても、とんでもない事態が起こったとしても、致命傷とならないような資金管理が必要です。
資金管理で破算回避をすることは、投資家が投資家であるための条件です。
自分の破産確率を把握していない場合、専業トレーダーとして生活していくことは難しいでしょう。
さて、この破産回避のルールを遂行するには鉄のメンタルが必要です。
鋼鉄のメンタルは失敗によって鍛えられる
専業トレーダーの精神状態の良し悪しは判断力に影響し、結果の良し悪しに直結します。
瞬間的な結果は別として、精神状態が悪い専業トレーダーは確実にまずい判断をしてしまいますし、精神状態の良い専業トレーダーは確実に自分なりにベストの判断をしやすくなります。
これは長期的には収益結果として表れていきます。
しかし、運用する資金の規模が拡大するほど、一時的にしろ損失が増えるにつれ専業トレーダーのメンタルは消耗します。
資質もありますが、最初からどんな状態でも最高の判断を下す精神状態を保つのはとても難しいこと。
間違った判断と損失を受けいれながら、徐々にメンタルは鍛えられていきます。
FX?株?デイトレーダーが取引すべきは
ここからは、実際に専業トレーダーが資金を運用するならFXと株のどちらがいいのかをお話します。
これに関しては一概にどちらが良いというのはないので、この2つの違いを比較していきましょう。
FXと株取引の特徴
以下、表にしました。
FX | 株 | |
---|---|---|
取引対象 | 通貨 | 株券 |
対象の種類 | 少 | 多 |
取引時間 | 24時間 | 9時~15時 |
利益 | 差益、金利 | 差益、配当 |
レバレッジ | 高 | 低 |
元手 | 小~大 | 中 |
FXと株のどちらもチャート分析が必要ですが、FXはよりテクニカルな分析が必要で、株は優良銘柄を探し出す分析が必要になってきます。こちらは取引対象の種類からも言えますね。
また、FXのように24時間取引が可能なものは、利益獲得の機会が多い反面瞬発的にも動く必要があります。
対する株取引は、15時に市場が閉場しても明日の朝までにしっかり保有銘柄や新たな銘柄を予習しておく必要があります。
専業トレーダーとして資金運用を行うなら元手の大きさはさほど気にする事はありません。
どちらも異なる特徴があるので、自分にあったフィールドを選択すると良いでしょう。
最後に、実際に「億」を稼ぐトレーダー3名へのインタビューを掲載。
専業「億トレーダー」に直撃インタビュー
さて、普段なかなか聞くことのできないFX専業「億」トレーダー達3人へのインタビュー記事に早速参りましょう。
勝ち組兼業トレーダー雅臣さん(48)
妻・子供3人の大家族。仕事しながら資産形成に成功してきた雅臣さんは、今では億のお金を動かしながらも毎日出勤をしてサラリーマンを続けている。うまく利益が乗り出した裏に投資ノートの存在があるとか!?
FXをはじめたきっかけを教えてください。
はい!生活が苦しかったからです!笑
30歳で結婚しまして、5年で3人の子供ができたところまでは良かったのですが、生活が困窮しまして。会社は副業を認めているので、バイトでもしようかと思ったのですが、時間給では限界もあり、FXに飛び込みました。
最初貯金から200万円を捻出して1年で250万円になって、月に4万程度利益がでたので翌年から一気に資金を500万円ふやし750万円で勝負しました。
しかしサブプライムショックがおきて、110万円まで減りまして、そこからは一念発起して、トレード日記をつけるようになりました。
トレードの検証が成功のカギですか?
トレードで負けを繰り返しながら、FXとは自分との闘いで、自分がどういう人間なのか、どういう手法が向いているのか、全体の流れの中で自分がどういう立ち位置にいるのか、そういう見方ができないと勝てないということに気づきました。
なので毎回勝っても負けてもトレードの日記をつけることで、振り返りの時間を増やしました。
具体的にはエントリーの時間帯やなぜポジションをもったのかの説明、利確したときも損切したときもその説明がつくようにしました。
最初は会社が終わっての夜の時間(欧州時間)だけしていましたが、そこでの勝ちが増えていくと東京時間でもやれるようになりました。
どんな手法なんですか?
基本的には短期取引をします。5分足のローソクを見ながら、トレンドを分析します。
ローソク足と移動平均を中心にみて、短期とはいえトレンドが出やすいところを狙ってエントリーをします。
チャートに関してはパターン分析みたいなものもしていますが、僕の感覚では毎回微妙に波形が違うので、あまりアテにはしていません。
それよりも、今の値動きを見つつも絶対にこの時はエントリーしないというマイルールをきめているので、それが当てはまらないときにのみエントリーをするようにしています。
入らないルールとは?
ここからはノウハウになるのであまり言いたくありませんね(笑)
また言葉にするのはとても難しいです。
でも例えばですが、ローソク足のひげがたくさん出ているときはレンジを作りやすいのでまずエントリーはないな、と判断しながらマーケットを見ます。あと完全にレンジ相場になっているとわかりやすい時も一切入りません。
手法は基本トレンドフォローなので大きく直近の底値をうわまって反発してきたらエントリーチャンスと思って待っています。
あとは現時点において3年~5年スパンでみるとトレンド方向がどっちにあるかを把握したうえで、短期的にも同じ方向に伸びるタイミングをおさえるようにしています。かなりのノウハウを言ってしまいました(笑)
専業トレーダーにはなぜならないんです?
自分の手法ははっきりいって専業を選べるほどの安定感がありません。それは自分が一番よくわかっています。
ただもちろん確実なトレードができていけば専業を考えていないことはありません。あと5年きっちりプラスをだせれば専業でもいいのかもしれませんね。
また会社勤めといっても、GWやシルバーウイーク、連休や有休などを駆使すると、かなりの期間休めます。そこで専業になったときをイメージしながらトレードもしているのですが、そういう時に限って調子あまりよくないんですよね(笑)
利益に固執するとバランスが崩れていくというか、今のところは兼業スタイルが自分のパフォーマンスの向上に寄与している感じもあるので、もう少しは兼業で着実に実績を積み上げたいと思っています!
兼業トレーダー雅臣さんへの質問箱
Q1:専業トレーダーへになる目安とは?
目安で幾らという収益を言う方はいますが、私に言わせればそうではなく「本気度」だと思います
Q2:専業トレードのメリットは?
自分は兼業なので分かりません(笑)
Q3:専業トレードのデメリットは?
生活のメリハリがなくなりそうですが、、しかし欲を言えば専業になりたいと思っています。そのほうが集中できるし利益も伸びるはずです。
Q4:FX+会社員。脱サラすべき?
会社における役割に依ります。肩たたきにあっているような窓際族ならやめてFX一本でいいとは思いますが、会社組織の中で重要な役割を担っている場合はその責務を全うするのも人生的には有意義です。
ちなみに私はその中間です(笑)
神戸在住主婦トレーダー 赤字は一時3億円!
兵庫県の富裕層が住む地域にお住まいのひろみさん(57歳)
話し方もとてもおっとりしていて、貴婦人感が漂ういかにも富裕層。しかし話を聞いてみるとかなりドロドロのFXでの失敗を繰り返して今があるとのこと・・・
FXをはじめたきっかけを教えて下さい
私は若いころに結婚しましてずっと主婦でしたのでこれといって働いてきた経験がありません。
夫が早くに亡くなり、もともと継いだ資産と遺産がありまして。
子供も成人し家庭をもっていますから、生活の足しになればと、ほそぼそと趣味程度に株をやっていました。
そんな時、FXの会社に職を変えた株の営業の方から勧められました。最初は金利を狙って、ただ持っているだけでも利息がつくからと、それがスタートでした。確かにどんどん利息が増えました。
その後損失が出るということですが?
ずっと利益が出ているので言われるがままに資金を追加しポジションを増やし、ほったらかしておいたらリーマンショックが来て、追証が発生して。
あの時はものすごく円が下がりましたでしょ?ナンピンですかね、言われるがままにやるわけです。
3円下がったところで買ってまたロスカットされて。その繰り返しで結局そこで2億円以上損しました。私あの時4億円もっていたのですが、結果的に3億円くらい失うことになりました。
・・・凄い額ですね。
いや、私がアホなんです。笑うしかありません。
ただそうはいっても生活はしないといけないし、娘は帰省するたびに小遣いせがんでくるし、私自身も減っていくお金をただ見つめているというのもなんですので、しっかりとFXやろうと決心したんです。
それでFXのセミナーとか、周りの主婦でもFXをする人がちらほらいましたんで、その知人をたどってFXの講師という方に直接レクチャーをうけたりとか。テクニカルの手法をそこで初めて知って、移動平均線やMACDなど理解して・・・。
現在勝てているのはなぜ?
何度もマイナスを繰り返しながら、私は短期トレードが苦手ということに気づいたんです。
なのでできるだけ取引回数を少なくすることから始めました。エントリーを絞って、スイングトレードになるんでしょうか、だいたい保有は1週間から長くても10日くらいまで。そのように自分の形を決めていきました。
見てるのは移動平均だけです。
1日ずっと値動きをみることはしませんので、ここだというときに指値を入れています。
具体的にはゴールデンクロス、デッドクロスにエントリーをするのですが、そこまでのチャートの波形によってエントリーするしないを決めています。
基本は多くの人がここまで戻るだろうと思うであろう値段の少し手前に指値をいれていることです。もともとそこまでお金に対しての欲がないからか、淡々と取引ができているのでここ3年ほどは単月で負けはありません。
トレード時間などいかがですか?
100%東京時間です。また夜は一切トレードしません。
もともとスイングなので、そこまで細かい動きは気にしてません。FXトレードは必死になっていいことありませんから、長く続けていくこと、負けないことを第一に考えてます。
主婦トレーダーひろみさんへの質問箱
Q1:専業トレーダーになる目安は何だと思いますか?
収益で自分の生活が守れるようになればだと思います。目安でいえば年収1000万くらいでしょうか。
Q2:メリットは?
手法によりますが、スイングトレードを中心において日本時間でやるならば、朝以外は自由な時間があると思います。
Q3:デメリットは?
ポジションをもってしまうと気になって他のことを楽しめないところでしょうか。でもあまりデメリットはない気がします。
Q4:FX+会社員。脱サラすべき?
周りの主婦でも私と同じように稼いでいる人もいるので、無理せず兼業で稼げるようになってから、脱サラしてやればいいと思います。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
専業トレーダーとして資金を運用するならまずは仕事をしながらトレードで資金を増やすことが大事です。
自分の手法や成績が分かってくれば、元手として必要となるおおよその資金もいくらか見えてくるはずです。