ギャンブルとFXの共通点と違いについて
「うまくいけばお金が増える」
「うまくいかないとお金が減る」
「結果は誰にも分からない」
投資もギャンブルもどちらも当てはまることです。特にFXはギャンブルに例えられることが多い投資。
FXをやっている人やFXをはじめようとしている人にとっては、ギャンブルだと言われてしまうと不安になってきますよね。
冒頭で紹介したように、実際ギャンブルとFXはじめとする投資との共通点は少なからずあります。
そうなると、どこでFX(投資)とギャンブルは線引きされるのでしょうか?
このページではギャンブルとFXなどの投資との明確な違いと共通点についてわかりやすく解説していきます。
目次
FXや株トレードとギャンブルの違いは?
FXや株などのトレードと、ギャンブルの違いは一体なんでしょう?
トレードとは、国のお金(米ドル、円など)や株券を安い時に買って高い時に売って儲ける投資、ごく簡単にはこう言えます。
しかし、FXや株はギャンブルなの? という質問が投げられるとき、このギャンブルの意味がなかなか曖昧ですよね。
ギャンブルは危険なもので、投資が安全なもの(=ギャンブルでないもの)と語られることがあります。
そのうえでFXや株がギャンブルだとかギャンブルでないと語られますが、実際には安全なギャンブルもあれば、危険な投資もあります。
FXや株トレードとギャンブルの違いを探るためにも、まずはギャンブルについて考えてみましょう。
日本におけるギャンブルのイメージ
実は日本のギャンブル産業というのは、出版業界の7倍の市場規模を持っています。
このように日本は隠れギャンブル大国にも関わらず、もとい隠れギャンブル大国がゆえに、ギャンブルに対してとてもネガティブなイメージがあります。
- 勝てる見込みがない
- 時間とお金の無駄
- 詐欺のようなもの
- 依存症や借金まみれになる
- 他人さえを巻き込む
ギャンブル依存症の人が多い日本において、ギャンブルはこのようなものだと思われています。
しかし、ギャンブルの意味を辞書で引くと、このようにあります。
■本来のギャンブルの意味とは?
・金品を賭け
・勝負事や当て事を行い
・勝ったものがその金品を得て
・負けたものがその金品を失う
・以上のような仕組みのゲーム
ギャンブルの本来の意味はそれ以上でもそれ以下でもありません。
競馬や宝くじなどの国営ギャンブルも、パチンコなどの民営ギャンブルもこの通りであり、本来ギャンブルの仕組み自体に危険要素は含まれません。
ギャンブルの仕組み自体は、賭けた金品を失うリスクと、賭けた金品が増えるリターンの関係として存在するのみです。
ではFXや株トレードなどのいわゆる投資はどうなのでしょうか?
FXや株トレードの仕組みは?
FXや株トレードでは、買った外貨や株券が買ったときより値上がりすれば、より高値で売れるのでその差額分だけ儲かるものです。
したがって安い時に値上がりを予想して投資するものです。
投資した通貨や株券が値上がりすれば利益になりますし、値上がりせずにむしろ値が下がってしまうと損失が出ます。
つまり、値上がりを予想して当たればリターン、予想を外して値が下がれば損失のリスク。
・・・これはもしや・・・と思う人もいるでしょう。
そうです、FXなどの投資とギャンブルの仕組みや構造の本質はほとんど同じです。
ということは・・・
ギャンブルも、FX・株トレードも一緒?
ギャンブルも、FX(や株式などのトレード)も一緒なのでしょうか。
先に言ったように、基本的な構造はほとんど同じ言っても過言ではありません。
これは何もギャンブルやFXなどの投資に限ったことではなく、リスクとリターンは仕事でもプライベートでも色んな場面においてその構造があります。
■受験勉強もギャンブル?
例えば、受験勉強をするにはお金や時間がかかりますが、大学に合格するかどうかは万が一には分かりませんね。
大学に合格すれば受験勉強に費やした時間やお金が実りリターンとなりますが、大学に合格できない(あきらめた)場合は勉強時間は無駄になってしまうかも知れません。
しかし他のあらゆる事柄より、明らかにギャンブルとFXは似ています。
それはお金を投資したらすぐに勝ち負けの結果が出るという点。ギャンブルとFXの最も大きな共通点はここにあります。
それではギャンブルとFXは同じなのでしょうか?
ギャンブルとFXの違いとは?
実はギャンブルとFXでは、誰から誰にお金が渡るかという構造において明確な違いがあります。
ギャンブルとFXや株トレードなどの投資において、最も大きな違いはお金を奪い合う相手です。
■投資とギャンブルの違いは競争相手
日本社会において馴染みのあるパチンコと、FXを例に違いを比較してみましょう。
パチンコ | FX | |
---|---|---|
競争相手 | 胴元 vs 参加者 | 参加者 vs 参加者 |
金の流れ | 胴元 → 参加者 | 参加者 → 参加者 |
有利な人 | 胴元 | 上手な参加者 |
この表だけでは少し分かりにくいので、より詳しく説明します。
競争相手とは、自分が利益を奪い合っている相手のことを言います。
胴元と参加者の関係でいうと、パチンコではお店(胴元)とお客さん(参加者)でお金を奪い合っているということですね。
つまりお店が儲けるためにはお客さんが損をしてしまうという構図になります。
FXでは、お金を奪い合うのは参加者 vs 参加者。つまりFX業者 vs トレーダーではなく「自分 vs 自分以外のFXトレーダー」となります。
また、パチンコなどのギャンブルではゲームの支配者は常にお店側。
台の設定から釘の打ち方、玉の値段まで、システムのすべてをお店が決めます。
お客さんの意思でコントロールできるのは台の選び方と予算とハンドルをどこまで回すかくらいもの。
パチンコ屋の支配者は当然企業ということですね。
■相場の支配者はトレーダー
FXでは相場を動かすのは参加者であるトレーダー。いくらで買ってもいくらで売ってもOK。
したがって、FXにおいて有利な人は取引が上手な人。安く買って高くさえ売れれば儲けることができます。
パチンコなどのギャンブルでは、どれだけ賭け事をうまくやっても胴元であるお店に勝つことは、イカサマなどの不法行為をしない限りは難しいでしょう。
パチンコしかり、カジノしかり、宝くじや競馬も同様に、ギャンブルは必ず胴元が儲かるようにできています。
投資をギャンブルだという人は、必ず負けるのがギャンブルで、投資はいずれ必ず負けるということを言っているわけですね。
もちろん実際はそうではありません。
FXはFX業者に取引手数料さえ支払えば、あとはFXトレーダー同士の勝ち負け。FXにおいて胴元ほど必ず儲けられる人というのはおらず、損する人もいれば儲かる人もいます。
その中でも取引が上手な人ほど儲けやすいのがFXということになります。
このように、FXとギャンブルでは明確な違いがあるとも言えます。
では、なぜFXがギャンブルに例えられるのでしょうか?
過激な手法は依存症を招く
「賭け事との共通点」
FXにおいてもギャンブルにおいても、リスクとリターンの関係があると話しました。
実際にはFXやギャンブル以外にも、何かを行うときは必ずリスクとリターンはあるとも話しましたね。
それでは、なぜFXはギャンブルに例えられることがあるのでしょうか?
論理的な予想なしではFXもギャンブル
推定何%の確率で勝てるのか、推定何%の確率で負けるのか?
これを論理的な裏付けを持って予想しなくなった(できなくなった)時点で、FXは完全にギャンブルとなります。
FXに限らず、株トレード、不動産投資、交渉事から恋愛まで、あらゆる選択ごとにおいて論理的な予想がなければギャンブル的な側面が出てきます。
反対に言うと、論理的な予想のある賭け事はギャンブルでなく投資だと言っても過言ではないでしょう。プロポーカーの世界王者が運でなく実力で王者になるように。
先に言ったように、FXをギャンブルにしてしまうのは論理的な予想ができなくなった時。
FXトレーダーにしろプロポーカープレイヤーにしろ、あらゆる優れた投資家が論理性を失うのは、常に冷静さを欠いたときです。
投資の世界において、過激な取引は感情をたきつけ冷静さを奪うことがよくあります。
ギャンブルのような過激な取引とは
もし100万円の元手で、1,2万円を得失するようなFXであるなら、妙に熱中したり興奮したり、依存してしまうものにはならないでしょう。
実は、ギャンブルも100万円持っている中で1万円程度を賭けるのであればそこまでおかしなことにはなりません。
人が熱中してしまうのは、勝ちと負けの結果の差が激しいときです。
かたや一攫千金、かたや全額損失では精神が妙に興奮してしまうのは当たり前のことですよね。
怖いのは利益を得るときより負けるときです。人は心理的に損失を受け入れられないことが多く「取り戻そう」という考えが働きます。
そうなると投資高がどんどん膨らんでいき、やめられなくなってしまうことがあります。
こうなると、冷静で論理的な予想はできていないはずで、FXとギャンブルが一致してしまいます。
勝ち負けの差が激しくなるようなFXをギャンブルと言いましたが、今度はギャンブルように熱中性の強いFXの取引手法も実際に見ていきましょう。
ハイレバレッジ、スキャル、指標トレード
ここではハイレバレッジ、スキャルピング、指標トレードの3つの取引について注意を喚起したいと思います。
■ハイレバ自体に問題はないが・・・
ハイレバレッジを利用すると投資高を一度に大きくすることできます。
投資高(ロット数)を大きくしすぎると、勝ち負けの差が激しいギャンブルのような投機的FXとなってしまいますので注意しましょう。
■ゲーム感覚に陥りやすいスキャルピング
スキャルピングは数秒から数分で済ます超短時間のFXを言いますが、こちらは戦略を練っていくらで買っていくらで売るというより、反射的に利益が出た瞬間に決済し取引を行うような手法になります。
投資というより、まるでゲームのように利益や損失が出るので、こちらも熱中しやすくなり危険です。
■値動きの激しすぎる指標発表
最後に指標トレードですが、こちらは米政府やら日銀などの定期的な発表(指標)に合わせて取引するFX手法です。
重大発表の時の相場は誰にも予想できないうえ、指標が発表された直後は相場がはげしく動きます。
少し取引しただけでとても大きな利益や損失が出やすいので、こちらもギャンブルのようなFXになりがちです。注意したいですね。
さて、ここまででギャンブルとFXの共通点を話してきました。
先ほど、冷静で論理的な予想さえ立てられるなら、ギャンブルも賭け事ではなく投資だと話しました。
そこで反対に、FXに使えるギャンブルの手法を紹介していきたいと思います。
ハイレバ、スキャル、指標トレード以上
賭けの手法
FXにおいても、ハイレバ、スキャルピング、指標トレードなどはまるでギャンブルように過激なトレード手法だと話しました。
FXでギャンブルのように過激なトレード手法もあれば、実はギャンブルには堅実かつ数学的な投資法があります。
マーチンゲール法
ギャンブルのポピュラーな手法として使われるマーチンゲール法は数学的な説得力を持つひとつの投資手法です。
やり方は簡単。配当が2倍のゲームで、お金を賭けて負けたら賭け金を倍に増やしていくというもの。
このやり方でいくと、5連敗しようが10連敗しようが、100連敗しようが最後に1回だけ勝てば必ず利益が出ます。
期待値自体は変わりませんが、賭け金のコントロールによって少ない勝率でプラスに持っていくことができるギャンブルの手法です。
賭け金=投資高(ポジションサイズ)だと考えると、当然FXにも応用することができます。
ただし、問題点は連敗が続くといずれ賭け金が元手を超えてしまい、利益を出せなくなるという点。
3回目の負けで1回目の賭け金に戻すなどの操作を、勝率をコントロールするにとどめると良いでしょう。
FXは自由にポジションサイズを選べ、複利で元手を運用することができるので、期待値は同じでも勝率を上げることは結果的に利益につながります。
他には賭け金を3倍に増やしていくココモ法や、賭け金を数字列で決めるモンテカルロ法などがギャンブルの手法にあり、これらはうまく使えばFXに応用することができます。
さて、ここまでFXに応用できるギャンブルの手法まで紹介し、ギャンブルとFXの共通点や違いなどを話してきました。
そろそろまとめに入りましょう。
脳の刺激や依存との闘い
結局は何事も自分次第
FXについてもギャンブルについても、リスクとリターンが厳然と存在し、肝心なのは冷静で論理的な予想のもとに投資を行うというものでした。
FXだろうがギャンブルだろうが、リスクがリターンを上回るのなら儲かりますし、リターンがリスクを上回るのなら損をします。
FXの場合リスクとリターンを冷静に判断するのはFXトレーダー他なりません。
先に話しましたが、ここで最も重要となるのはFXトレーダーの判断力。
最高の判断は平常心から
FXで損しないために必要なトレーダーの判断力は、知識や経験のほかに、いかに平常心でいられるかが課題となります。
平常心でないFXトレーダーは最適な判断をできず、損失を生み、その損失はさらにFXトレーダーの判断力を奪っていくことでしょう。
そのために心がけなければならないのは、平常心を保てるような投資やFXを行うということ。
まるでギャンブルのように興奮したり、落ち込んだりするような精神をかき乱すFXをするのは得策ではありません。
結局は自分次第で、自分との闘いとなりますね。
刺激的な投機は、エンドルフィンなどの脳内麻薬の分泌を促し、FXトレーダーやギャンブラーを依存症へと導きます。
FXでギャンブルをしないためにも、クールな判断力を持ち、淡々と投資をし元手を増やすことが大事です。
まとめ
FXがギャンブルかどうかは人それぞれ異なり、FXをギャンブルのように楽しむか投資として儲けていくかはFXトレーダー次第ということが結論となります。
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