損切りはFXの基本中の基本
「FX取引において損切りは大切です。」
そんな事は、FXをやっている人なら皆知っていますよね。
知っていても、上手くできない、それが損切りです。
損切りラインが高すぎると、何度も何度も損切りしてしまい損切り貧乏に。
反対に低すぎると1回の損失が大きくなり、破産の道へ。
これらの失敗を避けるには、明確な損切りルールの作成が必要です。
この記事では「損切りを上手に行う」ために、
- 正しく損切りを行うラインの設定方法
- 初心者でも上手に損切りができる方法
についてご紹介していきます。
目次
損切の用語説明を飛ばし、損切をいくらに設定すればいいかを先に読みたい方はこちらをクリック(記事下部へ)。
FXにおける損切りと利食い
皆さんは損切りについて正しい知識と理解をお持ちでしょうか。
損切りとは
損切りとは、損失を抱えている状態で決済してしまう事です。別名ロスカット・ストップロスとも言います。
なぜ損失を抱えている状態で決済してしまうのか。
それはそれ以上の損失を出さないためです。しかし、頭では理解していてもなかなか損失を出すのはつらいものですよね。
「自分から損失を確定させる行為」
あなたは損切りをこのように捉えていませんか?
「将来勝った時の利益を大きくする行為」
正しくはこちらです。
どんなに大勝ちしても、それまでの損切りができていないとトータル利益は見込めませんよね。
FXの鉄則は「損小利大」です。利益は大きく、損失は小さくです。
ここまでで、損切りがどの程度大切なものかはわかっていただけたと思います。
続いて、損切りをする・しないではどの程度違いが出てくるのかを見ていきましょう。
損切りをしないFXは全額を失うFX
FXにおいて損切りがなぜ大事なのでしょうか?
実際に、
- 損切りできなかった場合
- 損切りできた場合
の2パターンで見ていきたいと思います。まずは、損切りできなかった場合から見ましょう。
ケース1:損切りできないトレーダー
例)あるFXトレーダーが
- 通貨ペア :ドル円相場
- 証拠金 :100万円
- ポジション:1000万円の買い
- レバレッジ:10倍
で取引を開始
このようにしましょう。
証拠金に対する取引高、つまり実効レバレッジはおよそ10倍程度。
そこまで大きなサイズではありません。
この場合、もしドル円相場が1円下落すれば10万円損することになります。また10円の下落なら証拠金の100万円すべてがなくなる計算となります。
実際のFXでは、ドル円相場で10円というのは中々動きません。確かにポジションを持ったまま放っておけば、いずれ値が戻ってくることが多くあります。
しかし損切りをしないFXを長く続けていれば、値が戻らずそのまま10円落ちてしまう瞬間にいつか出くわすことでしょう。
損切りをせずにFXをやり続けると、いずれ全額を失う可能性があるということですね。
このように損切りしないFXはとても危険なものです。
一方、損切りできるトレーダーはどうでしょう。
ケース2:損切りできるトレーダー
先の例と同じトレード状況で話しましょう。トレードの状況は
- 通貨ペア :ドル円相場
- 証拠金 :100万円
- ポジション:1000万円の買い
- レバレッジ:10倍
でしたね。
損切りできるトレーダーは先ほどのケースでも、損失を抑える事が出来ます。
このトレーダーは損切りラインを「証拠金の2%」と定めていました。
証拠金100万円の内、100万円×0.02=2万円が損切りラインだという事になります。ケース1では損失が膨らみ続けたのに対し、ケース2ではたった2万の損失ですみました。
これが、FXにおける損切りです。
損切りをせずにFXを続けると、理論上はいずれ全額がなくなってしまいます。FXで利益を出しながら続けていこうとする以上、必ずどこかで損切りをする必要が生まれてきますね。
では、具体的にどうやって損切りをすれば良いのでしょうか。
損切りラインの設定方法について具体的に見て行きましょう。
損切りルールを明確に決めていない方、必見です。
損切は何pips?設定を計算
さて、そうなるとFXではいくらで損切りするかが大事になってきます。
スイングトレードFX、デイトレードFX、スキャルピングFX、低レバレッジの塩漬け手法、利食いの早い遅いなど・・・これらのスタイルによっていくらで損切りするかというのは変わってきます。
しかし根本は皆同じ。以下の2通りのアプローチのみです。
2.チャートの形から損切りを設定
簡単に言うと、資金面から見るかテクニカル面から見るかの2通りだという事です。
それでは、一つづつ見ていきましょう。
1.値動き・損失の幅から損切りを設定
もし、FXをしていて自分の予想した値動きと逆に値が動いた場合、どこかで損切りを発動しなければなりません。
このとき、どれくらい値が下がったかというのを参考に損切りを設定するのが、ひとつめの損切りルール設定の方法となります。
では、どのくらいの値を目安にするのかというと、30~50pipsです。
基本は30~50 pips値が動いたら損切り
ドル円で1pips=0.01円なので、0.3~0.5円程度ですね。
もちろん、トレードスタイルによって目安pipsは変わってきます。
一覧にしましたのでご覧ください。
トレードスタイル | 損切り幅の目安 |
---|---|
スキャルピング | 5pips |
デイトレード | 30pips~50pips |
スイングトレード | 50pips~100pips |
ポジショントレード | 100pips以上 |
損切り設定はスタイルや好みによりますが、分からない方はとりあえず30~50pipsに設定してみてください。
損切りまで余裕がありすぎるなら損切り設定の幅を狭めましょう。
あまりにポジションが切られてしまうなら設定を100pips以上に広げるという調整を行うと良いでしょう。
値動きから考える方法の他に、損失の幅から損切りを設定する方法もあります。
損失の幅から損切りを設定
損失の幅を固定し、損切りを設定する考え方もFXとして健全です。
例えば、「100万円を運用して損失が5%(5万円)出たら損切り」するルールなどです。
こうする事で、損切りルールを明確にする事ができます。
最後に、テクニカルな損切り方法「チャートの形を元に損切り」について見ていきましょう。
チャートの形を元に損切り
これは、自分が思い描いていた「チャートの形」と異なった時に損切りするという方法です。
つまり予想が外れた瞬間に損切りです
ご存知の方も多いとは思いますが、相場というのは、
- 1トレンド相場
- 2レンジ相場
の2種類しか存在しません。
この相場別に損切りラインを引いていく方法です。
それでは見ていきましょう。
トレンド相場で損切り
トレンド相場とは、一定の方向に相場が動き続ける事を言います。
そもそもトレンド相場の条件というのは、
- 高値が前回の高値を上回る
- 安値が前回の安値を上回る
でしたね。
トレンド相場での損切りタイミングは、トレンドが崩れた時です。
トレンドが崩れる条件というのは、つまり
- 高値が前回の高値を下回る
- 安値が前回の安値を下回る
タイミングですね。
この時に損切りする事で、大きな損失を防ぐ事ができます。
では、レンジ相場ではどのように損切りするのでしょうか。
レンジ相場で損切り
レンジ相場とは、一定の範囲内で相場が上昇・下落を繰り返す事を言います。
レンジ相場での損切りタイミングも、レンジ相場が崩れた時です。
レンジ相場では、レンジが崩れた瞬間ブレイクアウトになる事が多いので注意が必要です。
レンジ相場から抜け出した時に相場が大きく動く現象。
そのため、レンジ相場が崩れた場合はすぐに損切りしましょう。
ここまで、トレンド相場・レンジ相場での損切りについて見てきました。
しかし、FXをやっている多くの人は「トレンド・レンジ相場に従って損切りしたけれど、損切りした瞬間に逆方向に相場が動き出した」こんな現象を見た方多いのではないでしょうか。
実は「ダマシ」というのが大きく関係しています。
続いて「ダマシ」が起きる理由と、「ダマシ」に引っかからない方法をお教えします。
次を読むだけでFXの勝率はぐんと上がりますよ。
初心者が騙される「ダマシ」って?
一体「ダマシ」とは何なのでしょうか。
「ダマシ」とは
「ダマシ」とは「売買サインと逆方向に相場が進む事」です。
せっかく売買サインが出て「いける!」と思っても逆方向に相場進む事はよくありますよね。
あなたがトレンド相場でエントリーした事を仮定して見ていきましょう。
今回はトレンド相場で見ていきます。
あなたが、上昇を狙った買いのエントリーをしたとしましょう。
この時点では、トレンド相場の高値の上回り・安値の上回りのどちらも満たしています。
理想のエントリーと言えますね。さすがです。
しかしこの後、トレンド相場が崩壊してしまいます。
慌てたあなたは、すぐさま損切。
トレンド相場が終わってしまったのですね。
損が出てしまったあなたは、すぐさま売りで再エントリー。
素早い判断により、損失は減りそうですね。
しかしこの後、再びトレンドに戻ってきてしまいました。
あなたは、仕方なく損切、損失が膨らんでしまいました。
これこそが「ダマシ」なのです。
見てわかるように、「ダマシ」は非常にわかりづらいです。
「ダマシ」は高い確率で起きる事であり、騙された方も多いのではないでしょうか。
騙されないためには
騙されないのに大切なポイントは一つだけ。
損切りラインに少し余裕を持つ。これだけです。
つまり、「ダマシ」がある事を前提にして損切りラインを引いていくのです。
図を例にして見ていきましょう。
初めから「ダマシ」分余裕をもってラインをひくようにしましょう。
そうする事で「ダマシ」にも耐えうる損切りルールができます。
目安としては、元の損切りラインより10pips程度外側です。
これだけで「ダマシ」を回避する事が出来ますので、実践してみてくださいね。
ここまで、具体的な損切りルール設定方法について見てきました。
損切りルールを決めてもなお、損切できない人は多くいます。
かく言う私も損切りは苦手です。(笑)
損切りしなければいけないのに、いざ損切りラインを超えると、
「損失を出すのは嫌だ」
「もうちょい待ったら上がってくるはずだ」
といった具合に損切りをためらってしまいます。
頭では、分かっているんですけれど。
そんな私でも、損切りが簡単に出来る方法があります!
ここからは、損切りが苦手な私が使っている「100%損切り出来る方法」について見ていきましょう。
自動注文を設定する手法
「100%損切りできる手法」というのは、自動注文を設定する事です。
具体的には、次にご説明する逆指値注文といいう自動注文を使います。
私はこれを導入してから、損切りに失敗した事はありません。
逆指値の具体的なやり方について説明する前に、指値注文をおさらい。
指値と逆指値について
逆指値注文は、「指値注文の逆」だと捉えると分かりやすいです。
指値注文とは?
現在より安い値段で買う
現在より高い値段で売る
指値とは、こんな自動注文の事です。
安く買い高く売るという、FXの基本に沿った注文方法ですよね。
逆指値はその名の通り、指値の逆ですが・・・
逆指値注文とは?
現在より相場が上昇したら指定の値段で買い
現在より相場が下落したら指定の値段で売る
これが逆指値。
つまり逆指値は、高く買って安く売るというFXの基本とは反対の注文方法ということですね。
一見損な注文方法に見えるこの逆指値。なぜこんなことを行うのでしょう?
それは、損失をこれ以上広げないためです。
逆指値は損失拡大回避の注文
例として、買いポジションでエントリーしたとします。
買っているポジションはいつか売らなければなりません。
高い値段で売れば、その分利益がでますし、
安い値段で売れば、その分損失がでます。
損失をあらかじめ決めておく事で損失をおさえる事ができるのです。
逆指値で自動の損切り設定
例えば、1ドル100円で買った米ドルを、95円に下がったら売るという逆指値を設定すれば、95円になった瞬間、自動で売り抜くことが出来ます。
つまり逆指値は自動の損切り設定ということですね。
FXで逆指値を設定するには、FXの取引画面でエントリーしたポジションの決済条件を入力するだけです。
やり方さえ知っていれば損失の制限設定はとても簡単で、FX初心者の方でもすぐにできるはずです。
コツは、エントリーと同時に損切り注文をいれる所にあります。下がってきてから、自動注文を入れていたのでは間に合わないですからね。
もちろん上がれば利食いして終わりですから、自動注文は発動せずに終わるだけです。
ここまで、自動注文について見てきました。
最後に、「損切を簡単にするちょっとしたコツ5選」をご紹介したいと思います
利益>損失にするための損切メソッド5選
利益を増やす損切メソッドで大切なのは、以下の5つです。
損切メソッドで大事な5つ
- チャートに張り付かない
- 急落リスクに対応する
- レバレッジはかけすぎない
- 損切り貧乏にならない
- プロスペクト理論を頭に入れる
それでは、一つづつ見ていきましょう。
コツ1:チャートに張り付かない
為替相場は24時間いつでも変動しているため、価格が常に増減します。
あなたも為替相場に合わせて何十時間もチャートを見る事はできませんよね?
仮にできたとしても非効率ですし、疲れで判断能力に狂いが生じてくるでしょう。
そのために、自動注文(逆指値注文)があるのです。
逆指値を入れておくだけで、あなたがお風呂に入っている間も、寝ている間も見張っててくれます。
チャートに張り付くのはやめて、自動売買を活用しましょう。
コツ2:急落リスクに対応する
24時間チャートをチェックし画面に張り付いていたとしても、自動注文より人間の決済操作の方がやはり遅れてしまうもの。
為替レートはしばしば激しく変動します。
過去のドル円相場においては、7円を超える値動きが1日で発生したことも。
7円も急な値動きがあると、大損どころか証拠金を超える損失が発生する恐れすらあります。
たちまち借金まみれ…なんて事にならないように逆指値で対策しましょう。
また、万が一証拠金を上回る損失が出たとしても借金せずに済む「ゼロカットシステム」というものがあります。
気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
レバレッジのかけ方についても気を付ける点が存在します。
コツ3:レバレッジはかけすぎない
ハイレバレッジのFXでは、予想と少しでも逆に値が動くと損失が膨らみます。
逆指値で損切り設定をしておけば、目を離したすきに含み損が急拡大しているという事態を回避できますね。
これらの点から、やはりFXをする際には逆指値を使って損切り設定をしておくと良いでしょう。
コツ4:損切り貧乏にならない
損切り貧乏とは、「損切りをしすぎた結果、貧乏になってしまった人」の事を指します。
いくら損切り額を小さく見積もっていても、1勝するまでに何十敗もしているようではFXでの利益は見込めませんよね。
損切り貧乏は、損切りラインを厳しくしすぎている傾向にあり、先ほど説明した「ダマシ」を意識してみるとよいかもしれません。
最後のコツは、「プロスペクト理論」についてです。
コツ5:プロスペクト理論を頭に入れる
あなたは、プロスペクト理論をご存知ですか?
プロスペクト理論とは
選択の結果で得られる利益・被る損害が同じだった場合、人はより損失を嫌う
理論のこと。
例題で見ていきましょう。
A:コインを投げて表が出れば500万、裏が出れば0円
B:無条件で200万もらえる
どちらを選びましたか? あなたは、Bをえらびませんでしたか?
どの程度もらえるかを、期待値で計算してみると
A:期待値 ⇒ 250万円(= 500 × 1/2)
※2分の1の確立で500万なので)
B:期待値 ⇒ 200万円
Aの方がお得ですね。
この、「人は損をするのを過大に嫌う」というのがプロスぺクト理論です。
「損切り」は損失を確定させる行為なので、人は心理的に避けてしまうのです。
あなたが悪いのではなく、人間の本能です。
プロスペクト理論を頭に入れる事で、FXの損切りはぐんと楽にできます。
ここまで、損切を上手にする方法として下記の5つを見てきました。
- チャートに張り付かない
- 急落リスクに対応する
- レバレッジはかけすぎない
- 損切り貧乏にならない
- プロスペクト理論を頭に入れる
これだけ抑えれば、損切りもスムーズに出来るでしょう。
最後に軽くまとめましょう。
まとめ。初心者は大損を避けるべし
このページではFXにおいて損切りがいかに大事か、損切りをどのように設定するかについて話してきました。
正しく損切り設定さえを行っていれば、想定外の損失が出ることはありません。
しかし、どんなに良い設定で逆指値を入れていてもスリッページにより損失は広がる可能性もあります。
設定通りのタイミングで損切り注文が実行されるためには、約定力の高いFX口座でトレードをするのが良いでしょう。
約定力の高いFX口座としてはおすすめなのは、ハイレバレッジの海外FX口座。
海外のFX口座の約定力は国内口座よりも全般的に高く、スリッページの発生を抑えることができます。
例えば海外FX口座のGEMFOREXは100%の約定をトレーダーに保証しています。
100%の約定保証により、逆指値さえ設定すれば確実に自動の損切り執行。GEMFOREXの上限レバレッジは1000倍であるという点も含め、とても使いやすいFX口座です。
高い約定力と1000倍というレバレッジ、1.2 pipsという最狭クラスのスプレッドというハイスペックさなので驚きです。