IronFX(アイアンエフエックス)は2010年にサービスを開始した中堅ブローカー。高いスプレッドと豪華なキャンペーンが目玉の海外FX会社です。
まず最初にお伝えすると、IronFXでの口座開設はおすすめできません。
口座スペックはかなり高いのですが、かなりの訳ありFX会社。あえてIronFXを使う理由は見当たりません。
ではまず最初にIronFXの概要から見ていきましょう。
IronFXとはどんな会社?
IronFX(アイアンエフエックス)は、2010年に設立したキプロス共和国に本社を構える海外FX会社。
世界規模でサービスを提供しており、日本でもサービスを提供しています。設立した当初には、ベスト新人FXブローカー賞や、最も成長しているFXブローカーに送られる賞など、世界でいろいろな賞を受賞していました。
また、スペインのサッカークラブチームであるFCバルセロナのスポンサーや、プロセーリングヨット世界選手権の公式スポンサーを務めるなど、実績は確かなもの。
ここまで聞くと、かなり信頼度が高い部類のFX会社であると思います。ですが、いろいろと問題行動を起こしてきた問題児でもあるのです。
突然の日本市場撤退
IronFXは2014年1月に事前に告知をすることなく日本市場撤退をした過去があります。
海外FXが日本市場を撤退すること自体は、さまざまな事情があってやむを得ずおこなわれるケースは珍しくありません。撤退したこと自体に問題はありませんが、IronFXの撤退した時の対応はあまりにも身勝手であったため、顧客の信頼を大きく失うことになりました。
具体的には、新規口座開設や追加の口座開設を停止するだけではなく、日本の顧客の保有しているポジションを事前に顧客に知らせることもなく強制的に決済。さらに、アクティブ状態のリアル口座を突然停止するといったことを行いました。
例えば、長期でポジションを保有することで利益に転換することを見越してたくさんの含み損を抱えていた人は、このIronFXの対応によって強制的にポジションが決済されてしまい、大きな損失を被ったことになります。
こうしたIronFXの顧客のことを考えない対応に、日本人の顧客はもちろん大混乱。多くの人があわててIronFXの口座から出金しようとしたのですが、そこでも、なかなか出金手続きが行われなかったり、問い合わせしようとしても全然繋がらない、といった状態に。
もともとIronFXが日本市場を撤退した理由は、日本の金融ライセンスを取得するためでした。(日本で営業していると日本の金融ライセンスを取得できないため)つまり、日本の金融ライセンスを取得して日本国内のFX会社として今後活動する予定だったのです。
実際、日本市場撤退後に「アイアンエフエックス」として日本の金融ライセンスを取得しようとしたのですが、このような大問題を起こしてしまったこともあってライセンスは取得することができませんでした。そして、2015年にまた海外FX会社として日本人顧客に向けたサービスを再開し、現在に至ります。
中国では大暴動にまで発展
IronFXは日本人顧客に対してお粗末な対応を行い信頼を失うことになりましたが、同時期に中国の顧客ともトラブルを起こしています。
先述したとおり、IronFXは世界規模でFX会社サービスを提供していますが、中国の市場にも「Global Investment社」を設立してサービスを提供していました。しかし、プロモーション活動などにお金をつぎ込み過ぎたこともあって、経営が悪化。2013年頃から顧客が出金しようとしても出金できないという事態が増えてきました。
翌年の2014年になると状況は悪化。出金拒否の件数が増え続け、中国の顧客への未払いは約20億円から30億円に膨らんだといわれています。そして、その年の8月にはそのことを報じたニュースがテレビ番組で大々的に紹介されてから大騒ぎになりました。
その後IronFXの中国オフィスには多くの人が押し寄せ暴動が発生。窓ガラスが粉々にされたり、ナイフをもった人がお金を返せと脅したりという事件にまで発展しました。さらに、本社があるキプロスに殴り込みにいったトレーダーや、中国のキプロス大使館に押し寄せて抗議をおこなったトレーダーたちも出る始末。
中国で大暴動が起きたのが2014年、日本人向けのサービスを再開したのが2015年と時期が近かったこともあって、中国での参入に失敗したのを日本の顧客の資金で補填しようとしているのではという噂も一部では飛び交いました。
引用元:http://jp.forexmagnates.com/2014/09/09/forex-brokers/17164
http://jp.forexmagnates.com/2015/01/13/forex-brokers/19112
ここまでかなりディープな内容を書き綴ってきましたが、まだ続きがありますのでもうしばらくお付き合いください。
各国の金融当局が警告や処分を実施
日本や中国でトラブルを巻き起こしてきたIronFXですが、問題はその他の国でも発生しています。
中東やヨーロッパでも出金拒否のトラブルを起こしており、ハンガリーとポーランドの中央銀行からは実際に警告を受けています。また、コロンビアではIronFXが正しい手続きをとらずに営業をおこなっているのが発覚、一時営業停止処分を命じられています。
引用元:http://jp.forexmagnates.com/2014/03/10/regulation/15306
さらに、このようなトラブルに関してキプロス証券取引委員会も調査を実施、IronFXに日本円で5000万円近い額の罰金を支払うように命じ、そのニュースが世界中のメディアで紹介されたため、IronFXは世界中で評判を落とすことになりました。
また、世界中の海外FX会社の口コミをチェックすることができる「Forex Peace Army(FPA)」という大手サイトがありますが、そこでもIronFXはSCAM(詐欺)という烙印をおされています。
FPAを利用したことがある人ならわかると思いますが、よほどのことがない限りFPAでSCAMと判断されることはありません。IronFXは世界中でよほどのことを何度も繰り返してしまったということがいえます。
IronFXを使うメリットは?
かなりの悪評を書き連ねてきましたが、ここからはIronFXの長所と呼べるポイントをお伝えしていきます。
IronFXの長所は以下の通りです。
IronFXの長所
- 最大レバレッジは1,000倍とトップクラス
- 日本語サポートは平日24時間対応
- 豪華賞品のトレードコンテストを実施
では順番に確認していきます。
最大レバレッジは1,000倍とトップクラス
IronFXの最大レバレッジは1,000倍と、海外FXの中でもトップクラスです。
高いレバレッジ設定に加えて、ロスカット率は20%の低設定。ハイレバレッジでのトレードとはかなり相性のいい口座といえます。
ただし、FBSやGEMFOREXも同程度のレバレッジとロスカット率の水準です。先述した評判の件もあり、同程度のスペックの口座を求めるのであれば、FBSやGEMFOREXでの取引をおすすめします。
日本語サポートは平日24時間対応
IronFXは平日24時間の日本語サポートに対応しています。問い合わせ方法はメール、電話、ライブチャットに対応。
24時間日本語対応は海外FXでは珍しく、IronFXの優れている点といえます。
IronFXはどの問い合わせ方法でも日本人スタッフが対応してくれるので、日本語しかわからない人も安心して口座を開設・取引が可能です。
2019年現在では、日本語対応サポートをおこなう海外FX会社は珍しくありませんが、IronFXは長年日本語対応サポートをおこなっている老舗であり、長年のノウハウによって日本に向けたサポート体制は整っているといえます。
豪華賞品のトレードコンテストを実施
IronFXでは豪華賞品が当たるトレードコンテストを定期的に実施。
直近でいえば2019年7月から開催されているコンテストでは、5,000ドルの賞金に加え、ロシアで行われるF1グランプリのシャンパン付き特等席での観戦チケットが優勝者の景品となっています。
トレードコンテストはライブ取引で決められた期間内の収益率を競い合う場合もあれば、デモ取引でおこなわれる場合もあります。デモ取引は実際に自分の資金を使ってトレードをおこなうわけではないので、仮に結果がマイナスになったとしても自分の資産が減ってしまうことはありません。(利益を出しても資産は増えません)
そのため、FX初心者でも気軽に参加することができますし、コンテストを楽しみながら、デモ取引でFXを学んでいく、といった利用方法も可能です。
競争率が激しく、優勝して豪華賞品をゲットするというのは難しいですが、こうした楽しいキャンペーンがたくさん実施されているのは良いことですね。
IronFXのまとめ
この記事ではIronFXの口座の特徴についてお伝えしてきました。
おさらいとして、これまでの内容を簡単にまとめると以下のようになります。
この記事のまとめ
- IronFXは2010年にサービスを開始した中堅ブローカー
- 世界各国でトラブルが相次ぎ、各国の金融規制局から処分を受けている
- レバレッジは最大1,000倍で業界トップクラス
- 豪華景品付きのトレードコンテストを実施
文中でお伝えしてきましたが、IronFXの口座スペックは高いのですが、悪評の数と規模が尋常ではなく、無責任に利用をおすすめすることはできません。
類似したスペックを持つ口座は他会社にもまだまだ存在します。その中で、あえてIronFXを利用するというのは暴落中にレバレッジ1,000倍で逆張りロングするくらいにリスキーです。
当サイトでは、その他の優れた海外FX口座を紹介していますので、是非チェックしてみて下さいね。