初心者の方にとって、損益のバランスが最適なレバレッジは「5倍のレバレッジ」です。5倍であれば、大きなリスクを避けながら適正なリターンを狙えます。
- レバレッジ5倍は安全なのか知りたい
- レバレッジをあげて挑戦したいけど不安
- レバレッジ5倍は自分にあっているのか
今回は、レバレッジ5倍に関しての基本からメリット・デメリットまで詳しくご紹介します。
レバレッジ5倍のトレードとは?
まずは、レバレッジ5倍の基本的な内容をお伝えします。取引をするときに気になる「資金がいくら必要になるか」と、注意したい点である「強制ロスカットになりやすいか」をみていきましょう。
レバレッジ5倍の必要証拠金
「資金がいくら必要になるか」というのは、必要証拠金の金額で考えていきます。
必要証拠金を求める式は「取引に最低限必要な金額÷レバレッジ」です。多くのFX会社では、最低でも1,000通貨または10,000通貨からの取引となります。10,000通貨の場合で、1ドル100円の場合で例をみてみましょう。
必要証拠金を計算しよう
10,000ドル×100円 = 1,000,000円
必要証拠金
1,000,000円÷5 = 200,000円
取引を行う100万円のうち、必要証拠金は20万円。つまりレバレッジ5倍だと、取引に最低限必要な金額の20%の金額で取引ができるということです。
レバレッジ | 必要証拠金 |
---|---|
1倍 | 100万円 |
2倍 | 50万円 |
5倍 | 20万円 |
10倍 | 10万円 |
25倍 | 4万円 |
5倍のレバレッジはレバレッジなしのときに比べ、かなり少額の資金で取引できることが分かりますね。これなら取引を始めやすそうです!
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必要証拠金とは
強制ロスカットが起こりやすいのか
強制ロスカットは、必要証拠金が100%以下になったときに執行されることがほとんどです。先ほど、レバレッジ5倍の必要証拠金は「取引金額に対して20%」と説明しました。ここから考えると、レバレッジ5倍では資金が20%以下で強制ロスカットが執行されることになります。
こちらも、他のレバレッジと比べてどうなのでしょうか?100万円で運用したときに、「どのくらいの損失(含み損)までなら強制ロスカットが起きないか」を各レバレッジごとにみてみましょう。
レバレッジ | 強制ロスカットに 耐えられる損失額 |
---|---|
1倍 | -96万円まで |
2倍 | -46万円まで |
5倍 | -16万円まで |
10倍 | -6万円まで |
25倍 | 0円 |
必要証拠金と同じように、レバレッジ5倍はある程度余裕があることがわかりますね。
金額でみるとどうでしょうか。
1ドル100円、10,000通貨を取引した場合で計算してみます。
強制ロスカットになる損失額
1,000,000円×-100% = -1,000,000円
レバレッジ5倍
1,000,000円×-20% = -200,000円
レバレッジ10倍
1,000,000円×-10% = -100,000円
やはりレバレッジなしに比べると耐えられる金額は少ないですが、10倍に比べると余裕がある印象です。また資金20%以下で強制ロスカットになってしまうということは、80%までの含み損には耐えられるということです。かなり余裕を持った取引があるのではないでしょうか。
レバレッジ5倍は、取引を始めやすく余裕を持って運用できることがわかりました。
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強制ロスカットとは
初心者の最大レバレッジは5倍がおすすめ
ここからは、FX取引初心者の方には最大でも5倍のレバレッジがおすすめだということを説明していきます。最大レバレッジを5倍にしたほうがいい理由は以下です。
- 多くの投資家がレバレッジ5倍を採用
- 5倍は自動売買にも適している
どういうこと?と思ってしまいますよね。それぞれ詳しく解説していきます。
多くの投資家がレバレッジ5倍を採用
下の表をみてください。これは、金融庁が発表している「投資家は何倍のレバレッジを採用しているか」というデータです。
(出典:金融庁HP)
このデータをみるとわかるように、FXを行う投資家の全体の43%がレバレッジ5倍未満で取引を行なっています。約半数がレバレッジ5倍未満で取引をしているにもかかわらず、かける金額は全体の26%と全体の1/4しかありません。
これがどういうことかというと、多くの投資家はレバレッジ5倍未満かつ少額の取引を行っているということです。
5倍未満で少額の取引はリスクも少なく、しっかり利益も出せるということがわかるのではないでしょうか。初心者の方は、高くてもレバレッジ5倍までに抑えて取引を行うのが安全ですね。
自動売買にも最適
レバレッジ5倍は、自動売買を利用するときにも非常におすすめです。初心者の方にも便利な自動売買ですが、急激な為替変動への対応は苦手です。そのため、自動売買ではレバレッジを抑えて取引することが重要です。
実は、自動売買ツールは無料のものから10万円を超える高額なものまであります。
無料のものであれば2〜3倍でもいいですが、無料ツールはシステムが古かったり性能がイマイチなのでおすすめできません。そのため有料ツールを使いたいところですが、そうなると有料ツール以上の利益を出したいですよね。
2〜3倍では利益が少ないことを考えると、レバレッジ5倍がいちばんバランスがいいと言えるでしょう。
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自動売買とは
レバレッジ5倍のメリット
ここまで、レバレッジ5倍の基本的な説明をしてきました。まだ初心者だけど、少しチャレンジしたい方には最適のレバレッジではないでしょうか?
さっそく運用を開始する前に、メリットとデメリットをきちんと理解することが大切です。理解することで心の持ち方も変わりますので、しっかり学んでいきましょう!
リターンとリスクのバランスが最適
レバレッジ5倍は期待されるリターンとリスクのバランスがとてもいいです。
リターンから説明すると、レバレッジ5倍はレバレッジなしに比べて同じ取引でも5倍の利益を出すことができます。そしてリスクについては、基本的に支払いが困難になるほどの損失は考えられません。
なぜかというと、主要な通貨の1日あたりの値動きは前後0.6円(60 pips)以下に収まっているからです。
このように、レバレッジ5倍は適度なリターンと適度なリスクでかなりバランスのとれているレバレッジです。これと同じく、4倍や6倍のレバレッジもバランスが取れたレバレッジといえるでしょう。
どのような投資スタイルでも使いやすい
短期トレード、中長期トレードのどちらでも使いやすいのがレバレッジ5倍です。
短期トレードであるスキャルピングやデイトレードは、わずかな為替の動きで利益を取っていきますよね。レバレッジは基本的に高めに設定するのですが、その目安は5〜10倍程度と言われています。
中長期のトレードであるスイングやポジショントレードでは、多少の為替変動に耐えられるようにレバレッジを低く設定するのが基本です。こちらの目安は1〜5倍程度。
このことから、レバレッジ5倍は短期トレード・中長期トレード共に使いやすいといえますね。
レバレッジ5倍のリスク
ここからはレバレッジ5倍のリスクについて説明していきます。リスクをきちんと理解しておくことで、心に余裕を持った取引ができるようになりますよ。しっかり確認していきましょう!
損失も5倍になる
レバレッジ5倍で取引をすると、予想通りに相場が動けば利益が5倍になりますよね。しかし、同様に負けてしまった時の損失も5倍になるということをきちんと頭に入れておきましょう。
損失の理解をしっかりとしていないと、いざ損失が出てしまったときに冷静な判断ができなくなってしまいます。落ち着いて取引を続けるためにも、利益だけではなく損失も加味した上で取引を行うようにしましょう。
損切りがしづらい
レバレッジが上がれば上がるほど、心理的に損切りが難しくなります。損失回避の法則といいますが、私たちの「損をしたくない」という気持ちは「得をしたい」という気持ちの2倍あるのです。
損切りは、勝つためには必須ですよね。レバレッジを上げるにつれて、感情に流されずに損切りを行うことがとても重要になってきます。
どうしても自信がない方は、逆指値注文などを入れておくといいですよ。
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逆指値注文とは
レバレッジを決める3つのステップ
レバレッジ5倍について、基本とメリットデメリットを紹介しました。しっかり理解して安全に取引をしていきましょう。
FX取引では、あらかじめルールを決めておくことで正しい取引をすることができます。これから紹介する3つの手順を実践すれば、自分に合ったレバレッジを選ぶことができますよ。
1.用意する証拠金の金額を決めよう
まずは、FX取引のためにどのくらいの資金を用意することができるのかをしっかりと把握しましょう。ここで重要なのは、必ず余裕のある金額で取引をすることです。
手元の資金ギリギリで取引をしてしまうと、もし損失が出た場合にカバーするのが難しくなってしまいます。レバレッジをどれくらいにするかを考える前に、手元にどれだけ資金があるか把握することが重要です。
2.利益のゴールを決めよう
用意できる証拠金の金額が決まったら、次はどのくらいの利益を出したいかを明確に決めましょう。
「FXで利益を出す!」などのふんわりとしたゴール設定だと、歯止めが効かなくなってしまいます。明確なゴール設定は「どんなトレードスタイルがいいか」や「どのくらいのレバレッジにするべきか」も見えてくるので重要です。
自分が満足しつつ、強気になりすぎない金額に設定すると取引もスムーズに行えるでしょう。
3.いつまでに達成するかを決めよう
最後に、設定した目標金額を達成するまでの期日を決めます。どのくらいの期間運用するかによって、かけるレバレッジも異なってくるからです。
数ヶ月から数年の目標まで様々となりますが、ポイントは長期の目標を立てたらそれを細かい目標に分けていくことです。
目標は細かく細分化することで、モチベーションの維持に繋がりますし自分に無理のない目標かを再確認できますね。
レバレッジの選び方は人それぞれですが、無理のない適正なレバレッジを選ぶことがFX勝利の近道です。
- 少しチャレンジしたい初心者におすすめ
- 初心者にとって損益バランスがいい
- いろいろなトレードスタイルに最適
- 目標をしっかりと設定する
もちろんより高いレバレッジを利用してもいいですが、FXにしっかり慣れてからでも遅くはありません。
今回紹介したレバレッジ5倍の良し悪しを参考にして、自分に合ったレバレッジを選んでみてくださいね。