長期FXの運用は儲かる
長引く低金利や老後の生活費への不安などから、投資による資産運用が注目されています。
たとえば大きな利益につながるFXトレードが変わらぬ人気を集めますが、どのように始めればよいのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
FXトレードは確かに大きな利益が得られる反面、リスクも大きいのが実情です。
そこで今回は少ないリスクで行える長期FX運用についてご紹介します。具体的にどのように運用すればよいのか、そしてメリットと注意点について取り上げていきます。
まず最初になぜ長期FX運用が儲かるのか、その理由を説明します。長期トレードが儲かる理由とは?
長期FXトレードが儲かる理由はふたつあります。損失が確定するリスクがないこと、メンタルリスクがないことと、そして、スワップポイントによって安定した収益を生み出す仕組みがあることです。
順に説明していきますが、詳しく説明する前に「長期トレードとは何か?」ということについて説明していきたいと思います。
長期トレードとは?
長期トレードとは、数か月から数年という長い期間でポジションを保有し続ける手法のこと。別名はロングトレードと言います。
FXトレードでは現物取引と違い、買いと売りのどちらのポジションをいつでも建てることができます。
価格が上昇していれば買いポジションを、下落していれば売りポジションを建てられる・・・つまり、相場がどのように動いても利益を出せるというわけですね。
FXトレードといえばチャートで細かな値動きを見て売買を繰り返し、利益を積み上げるというイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、長期FX運用はそれほど頻繁に売買は行いません。
一度ポジションを建てたならば、たとえ含み損が発生してもポジションは決済しないのがポイント。
そしてある程度の含み益が出たところで利益確定します。
このように、長期FX運用では含み損を抱えてもポジションを保有できる理由は、ここで紹介する長期トレード手法に強制ロスカットがないからです。
■強制ロスカットとは?
ところで強制ロスカットとは何でしょうか。
レバレッジを効かせて大きな金額でトレードをすると、自分の元手より大きな損失が発生する可能性があります。
自己資金より大きな損失を被らないようにするためには、損失が大きくならないうちにトレードをやめなければなりません。
しかしトレーダーがこれに気づかず、トレードを続けてしまったらどうなるでしょう?
このような事態にならないように、FX会社は強制的にトレーダーの取引を中止させることができます。
これを強制ロスカットと言います。
話を戻しましょう。
長期トレードが儲かる3つの理由
長期トレードが儲かる理由は
- 1.強制ロスカットがない
- 2.メンタルリスクが少ない
- 3.スワップポイントがつく
という3つがあげられます。
長期トレードが儲かる第1の理由は、強制ロスカットがないというものですね。
1.強制ロスカットがない
なぜ強制ロスカットがないのでしょうか?
通常長期トレードというのは、低いレバレッジでトレードするものです。
実効レバレッジが低いほど強制ロスカットのリスクは減るモノですが、このリスクをゼロにするためにはレバレッジを使わなければ済みます。
このページで紹介する長期トレード手法では、レバレッジを効かせてトレードをしません。
そのために相場が予想に反した動きとなっても、強制ロスカットを受けるリスクが全くないということ。
強制ロスカットを受けると損失が確定するので、資金が大きく減少します。
レバレッジさえ効かせずトレードを出来るなら、強制ロスカットという損失確定の機会を100%防ぐことができるということですね。
このように長期FXトレードの運用を行えば、細かな相場の値動きに神経を使うことがなくなり、メンタル面での負担もかかりません。
2.メンタルのリスクがない
投資活動は自分のお金をリスクにさらすことにより、メンタル面での負担を生じます。
これは仮想取引では順調に利益を出せる人が、実際にお金を投じてみるとうまく運用できない理由につながります。
多くの人は、自分のお金がなくなるという危険を感じると、極度の緊張感を感じるようになります。
その結果、投資活動において理性的な判断が下せなくなり、それが大きな損失にもつながるというわけです。
FXトレードは特に、レバレッジを大きく使うと少しの値動きが大きな損失につながります。
そのために値動きを常にチェックし、チャートを見ていないと不安になる人もいます。
けれども長期FX運用の場合には、強制ロスカットはありませんし、多少の含み損を抱えたとしてもすぐに損失は確定しません。
そうはいっても、相場が見込みに反して動けば保有するポジションは含み損を抱えることに変わりはありません。
では長期FX運用は含み益が出ない限り利益は出ないのでしょうか。
実は通貨ペア取引となるFXには、ポジションを保有しているだけで利益が出る仕組みがあります。
通貨ペアの2国間における金利差によって、スワップポイントという利益が生じるのです。
3.スワップポイントがつく
レバレッジ1倍でFXトレードを行うということは、結局は通常の外貨購入と変わらないのではないかと思う方もいるのではないでしょうか。
FXトレードはあくまでも通貨ペアのトレードなので、レバレッジ1倍でも証拠金が必要となります。
たとえば米ドル買い注文を出す場合には、円を売ってドルを買うという取引をしているのです。その取引を行うために証拠金が必要となります。
さて、この円売りドル買いですが、円売りということはまず円を借りる必要があります。
つまりドル買いポジションを保有している間は、借りている円に対して金利を支払うわけです。
これは一般的な借金における金利負担と同じようなものと考えてよいでしょう。
そしてその借りた円を使ってドルを買います。
すると今度はそのドルに対して金利を受け取ることになります。これは預金に利息がつくのと同じようなものです。
さて、日本とアメリカではそれぞれの金利が違います。
日本はゼロ金利政策が続いていますが、アメリカは利上げを続けて金利は上昇しています。
つまり円売りによる利払いの金利は低く、逆に米ドル買いで受け取る金利は高いということになります。
その金利差がプラスとなることで、利益が生じるわけです。これがいわゆるスワップポイントとなります。
長期FX運用を行うと、ポジションを保有している間は自動的にこのスワップポイントが毎日つきます。
短期トレードではスワップポイントの利益を享受することはできませんね。
FXの長期運用のやり方
それでは具体的に、長期FXトレードのやり方を紹介します。
どのようなタイミングでポジションを作るのか、そしてどのようにその通貨ペアを選ぶのかが重要で、ポイントはこちらも3つです。
- 1.日足でトレードすること
- 2.レバレッジを使わないこと
- 3.ハイスワップの通貨を選ぶこと
それでは順番に説明していきましょう。
1.日足でトレードすること
長期FX運用ではスワップポイントがつくことを説明しましたが、保有するポジションが含み損を抱えていてはいつまでも決済できません。
あるいは為替相場をチェックして、条件のよい通貨ペアに乗り換える必要もあるでしょう。
そのような時に含み損を抱えたまま決済をすると、損失が確定してしまいます。
ではそのような損失を生じないようにポジションを建てるには、どのようにすればよいのでしょうか。
そのポイントは単純に、通貨を安く買って高く売ることです。そしてその値動きはチャートを利用して予測します。
チャートには投資家の心理が反映されますし、その結果同じような動きを繰り返します。
短期売買では目先の値動きを予測する必要がありますが、長期FX運用は長いスパンでチャートを分析することになります。
チャートのローソク足には分単位の値動きが分かる分足や1日単位の値動きを表す日足などがあります。
長期FX運用では日足を使うとよいでしょう。
日中の細かな値動きは気にする必要がありませんし、中長期のトレンドが分かるからです。
そして注文を出す際には、レバレッジは使わないように注意しましょう。
2.レバレッジを使わないこと
レバレッジの説明はすでにしましたが、長期FX運用では注文時にレバレッジ1倍にします。
ここで注意が必要なのは、一般的にFX業者ではレバレッジ設定はせずに注文時に自動的に判断されるということです。
たとえば口座に10万円あるとして、20万円分の注文を出すとします。
すると自動的に2倍のレバレッジを使って取引を成立させてしまうことになります。
つまり、注文時には証拠金以上の注文を間違って出さないように注意する必要があるということです。
現在の通貨価格を把握し、通貨量と掛け合わせ、円換算でいくらになるのかを計算して注文を出すようにしましょう。
取引の総量が日本円換算で証拠金より大きくなければ問題ありません。
長期FX運用の注文方法とタイミングの取り方が分かれば、次は通貨ペアの選び方を覚えておきましょう。
3.ハイスワップ通貨ペアを選べ
FXトレードは上昇基調にある通貨を買い、下落基調にある通貨を売るのが基本です。
長期FX運用でもそれは同じですが、ひとつ押さえておきたいポイントがあります。
それは、スワップポイントが大きな通貨ペアを選ぶということ、さらに買いでも売りでもスワップがプラスとなるものを選ぶ必要があります。
長期FX運用の利益につながるハイスワップの通貨ペアを選ぶためには、金利差が大きな2国を探す必要があります。
たとえば馴染みのある米ドル/円の場合、2018年8月時点でのスワップはおよそ20円から50円といったところです(ドル買い円売りポジション)。
それに対して、オーストラリアドル/円は60円から85円ほどで推移しています。
さらにニュージーランドドル/円は70円から90円とかなり高い水準となっています。
一般的に先進国よりも経済成長が大きな新興国の方が高金利となるので、スワップポイントも大きくなる傾向があります。
新規ポジション建ては買いでも売りでもよいのですが、先述したようにスワップポイントがプラスになることを確認してください。
たとえば米ドル/円で売りポジションを建てるとスワップポイントがマイナスになってしまいます。
けれどもユーロ/円売りであれば、わずかながらもスワップポイントはプラスになります。
以上の基本的なポイントを押さえたうえで、さらに効率よく稼ぐために相場のトレンドの判別方法も知っておきましょう。
最大のポイント
チャートからトレンドを判別
長期FX運用のための取引では、そのタイミングをどのように判断するかが大切です。
下落基調にある通貨で買いポジションを建てても、スワップポイントの利益は為替差損で消えてしまいます。
為替相場のトレンドはチャートで判別できます。
基本的には一定期間の移動平均線を見ることで、上昇トレンドにあるのか下落トレンドにあるのかがひと目で分かります。
そして移動平均線に対して日足が下から上に抜ければ買い注文を、逆に上から下に抜けたら売り注文を出します。
これは新規ポジションを建てる時も、ポジションを決済する時も同じです。
以上の点に注意して長期FX運用を行うことで、他の投資と組み合わせて資産運用を行うことができます。
その理由は長期運用のFXが手が掛からないからですね。
投資のポートフォリオとしておすすめ!
ポートフォリオというのは、現金、外貨、株券証券、債券、仮想通貨などあらゆる種類自己資産の複合体です。
投資対象は複数に分散した方がリスクを軽減できますし、資産のドローダウン(損失の最大化)を防ぐことで複利の効果を最大化することができます。
先に例にもあげましたが、ポートフォリオに組み込むものには外貨を現物で持つという選択肢がとりがち。
しかし、これでは日本円で買いのポジションを取ることしかできません。
FXの長期運用は外貨取引より取引の小回りが利くうえに、外国通貨を売りでも買いでも、さらに外国通貨でポジションを建てることができます。
株式トレードで時間を取られている投資家、そもそも時間が取れない投資家など、投資に時間をかけられない人はポートフォリオに長期FX運用を組み込むのもよいでしょう。
さほどチャート分析やトレードに時間を取られることがありませんし、少ないリスクで分散投資ができます。