トレンドラインのみでFXは勝てるか
このように、FXのチャートに斜めの線を引いてトレードする手法を見たことがあるでしょうか?
これはトレンドラインというもので、FXのトレードにおいてよく参考されるものです。
FXには合理性に欠くマユツバ手法から優れていても扱いにくい手法まで、あらゆるFXの手法があります。
巷にあふれるFX手法の中でも、このトレンドラインは合理的かつシンプルな数少ないFX手法と言えます。
このページでは、トレンドラインがどういうものなのか、トレンドラインによってどのように相場を分析するのか、トレンドラインから分かる正しい売買タイミング、というものを説明します。
目次
まずはトレンドラインの説明から。
トレンドライン=エントリーの参考手法
はじめにFXのトレンドラインについて説明します。
FXにおけるトレンドラインとは、チャートにおける最安値あるいは最高値を直線で結んだシンプルな直線です。
この特徴は、トレンドラインの付近で値が切り返すというもの。FXにおいてこのトレンドラインは、順張りでポジションを持つ際に大いに参考になります。
まず、相場には大きく3つ、①上昇トレンド、②横ばいのレンジ、③下降トレンドの基本動向があります。
それに対し、トレーダーが行うべき取引は・・・
- 上昇トレンド:買い(ロング)
- 横ばいレンジ:様子見
- 下降トレンド:売り(ショート)
これが基本です。
FXのチャートは、上昇中でも下降中でも、チャートは上下に変動します。
FXでは当然、上昇中には買いポジションを持ち、下降中には売りポジションを持ちたいですよね。
もし上昇トレンド中にロングでエントリーする場合、チャートが下がったところでポジションを持つのが最も効率的です。
反対に下降トレンド中のショートでエントリーする場合はチャートが上がったところでポジションを持つのが効率的です。
実際に上昇トレンドなのか下降トレンドなのか、ただチャートを眺めるだけでは分かりません。
トレンドラインとは実際に引いてみると分かりますが、初めにも述べたように最安値、または最高値同士を結ぶだけの非常にシンプルな直線。
この直線が、
- 為替レートの方向性
- トレンドの強弱
- トレンドの持続性
- エントリーポイント
における視覚的な判断材料になります。
では、なぜこのトレンドライン手法が1つの手法として機能するのでしょうか?
それは世界中のトレーダーが同じチャートを見て、それに対しトレンドラインを引き、最適なエントリーポイントで取引しているからです。
多くのFXトレーダーがトレンドラインを引き、最適なエントリーポイントを参考するからこそ、チャートの値動きの切り返しがトレンドライン付近で起こることが多く、1つの手法として機能しています。
逆に異なったトレンドラインを引いてしまえば、それこそFXで勝つことはできません。
トレンドラインの正しい引き方をここで身に付けましょう。
トレンドを正しく読み解くラインの引き方
トレンドラインとは、チャートにおけるロウソク足の高値同士、または安値同士を結んでできる直線。
安値同士を結び、そのラインが上向きならば上昇トレンドライン、高値同士を結び、ラインが下向きであれば下降トレンドラインと言います。
トレンドラインで扱うのはこの2直線のみです。
ここからは、ラインの引き方についてより詳しく説明していきます。
まず、ラインを引く上で初心者が迷う問題として、ロウソク足のヒゲをトレンドラインを引く際に考慮すべきかどうかという問題があります。
トレンドラインにヒゲは考慮すべきか!?
答えは、『イエス』。
トレンドラインにおけるヒゲは高値と安値を表します。ヒゲまで含めて、値動きのすべてです。
ローソク足の実体部分である始値と終値が、ローソク足が示す時間足のどの時刻の部分のものかご存知でしょうか?
実はFX会社によって、ローソク足を示す時刻は異なります。
しかし、ヒゲが示す高値と安値は、時間足に対応する期間の最高値と最安値です。
ヒゲだけは時間足が同じであれば、会社が違えど変わることはありません。
トレンドラインを引く上で最も大切なことは、客観性を意識すること。
多くのトレーダーと同じラインを引いて機能するので、トレンドラインを引く指標としてヒゲを、多くのトレーダーたちも使います。
上の図を見ると、ヒゲを無視して引いた赤い上昇トレンドライン、ヒゲを考慮して引いた青い上昇トレンドラインです。
もし赤いトレンドラインを見ていたとすると、赤い丸で囲んだ部分で1度ブレイクした際に持っていたポジションを放す可能性があります。
しかし、その後もトレンドは変わらず、上昇トレンドは続いています。
青いトレンドラインを使っていれば、ポジションを放すことなく、利益をさらに伸ばすことができました。
さらにヒゲを考慮すべき理由を述べると、日本の投資家はローソク足を使うことが多いのですが、欧米などではバーチャート等を参考にする投資家も多いです。
つまり各時間足の高安値がより意識されているということ、もう一度トレンドラインが機能する理由を思い出してみてください。
多くの投資家が意識するからこそ、トレンドラインが有効に機能するわけです。
ここまでトレンドラインを引いた体で話を進めてきましたが、実はトレンドラインはただ目に入った高値同士、安値同士を結んだだけで、実際に機能するとは言えません。
始点からの直近高値もしくは直近安値の更新後にトレンドラインが引ける
上図のような上昇トレンドにおいて2つの安値同士を結んで引いた場合、左側のチャートではトレンドラインとは言えません。
なぜか? それはダウ理論(※)から左側の図ではまだ上昇トレンドが形成されていないからです。※ダウ理論については>>後から解説します。
では、いつこの直線がトレンドラインとして機能するのか?
それは、上の右図のように為替レートが1つ目の安値の後に付けた直近高値を上抜けた場合です。
直近高値を上抜いて初めて、上昇トレンドラインとして機能します。
ダウ理論とは?
ダウ理論とは、米国の証券アナリスト、チャールズ・ダウが提唱した市場における値動きを評価するための理論。
ダウ理論の中の1つに、「トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する」とあります。
その部分は簡単に
- 安値更新せず高値更新:上昇トレンド
- 高値更新せず安値更新:下降トレンド
とまとめられます。
より詳しくダウ理論について学びたい方は、下の書籍をおすすめ。
先物市場のテクニカル分析
第6章 出来高と建玉 はまた為になる。自己投資にお金をケチってはいけないぞー。 pic.twitter.com/6qJ1N6XvJh
— Hpp (@Hpp_tbr) 2017年4月15日
とても有益な書籍です。
ここまではトレンドラインの引き方について説明しましたが、実際にトレンドラインを引く上で何を意識して引けばいいのか、引き方のコツを伝授しましょう。
正しいトレンドラインを引くためのコツ
初心者のうちはトレンドラインを引く際、「本当にこのトレンドラインで大丈夫だろうか?」などと迷うことがあると思います。
そこで初心者から抜け出すためのトレンドラインを引くコツを2つ紹介します。
トレンドラインを引くコツ
ラインは引けるだけ引いてみる
短いラインより長いラインを残すこと
の2つについてこれから詳しく説明していきます。
ラインは引けるだけ引こう
初心者のうちから最初の1本で正確なトレンドラインを引くのなんて不可能です。
スポーツでもFXでもアマチュアとプロの違いは練習量と経験値。
何度も実際のチャートにトレンドラインを引かなければ、あなたのFXスキルが上達するはずありません。
下の図を見てください。
このようにいくつものラインを引きましょう。
青線が上昇トレンドライン、赤線が下降トレンドライン、黄線が上昇トレンドラインと下降トレンドラインの中で最も長い直線です。
では、なぜここで上昇トレンドラインと下降トレンドの中で、最も長いトレンドラインに黄線を引いたのかを説明します。
短いラインより長いラインを残そう
やはり最終的にトレードする上で、チャート上にトレンドラインが多すぎても見にくくて邪魔ですよね。
そこで、いくつものトレンドラインをチャートに引いた後は、徐々に短いトレンドラインを消していきます。
なぜ短いラインを消し、長いトレンドラインを残すのか?
それは、長いトレンドラインの方が、よりトレンドが続いている時間が長いということなので、トレーダーたちの意識もより長いトレンドラインに集中しているからです。
大事なことなので何度も言いますが、多くのトレーダーの意識が集中しているからこそ、トレンドラインは意味を成します。
初めのうちは腕慣らしに何本もラインを引きながらも、長いラインを残していきましょう。それが出来れば、トレンドラインを用いたテクニカルな分析をはじめることができます。
エントリーと決済を正しく見極めよ
トレンドラインを引くことによって、以下の4点が明確になります。
トレンドラインで明確になるもの
- トレンドの強弱
- トレンドの持続性
- エントリーポイント
- 決済のタイミング
それではこの4点、さらにトレンドラインと併用することで相場をより正確に見るための「水平線」について解説します。
①トレンドの強弱
トレンドラインの傾きはトレンドの強弱を表します。
トレンドの傾きが急な場合、値動きの上昇または下降速度が速すぎることを意味し、そのトレンドラインを維持できず、すぐに破られる可能性が高いです。
トレンドラインが急すぎる場合はそのトレンドの持続性は低いため、あまり機能しているとは言い難いですね。
逆に、トレンドラインの傾きが緩やかな場合、上昇または下降速度が遅くなっており、トレンドラインがブレイクされ、横ばいやトレンドが反転する可能性が高くなります。
もちろん、トレンドラインの傾きが緩やかであろうと、全体的に買値または売値が上昇、下降しており、トレンド通りの買い・売りで利益を得ようと考える人もいます。
しかし、傾きが緩やかである場合、トレンド自体が変わる、つまり、反対の値動きが生じる可能性は無視できません。
ここで大切なのが「損切り」という、万が一の損失を想定内に抑える処置です。
この「損切り」に関しては>>後で詳しく説明します。
さて、それでは最も機能するトレンドラインの傾きは?
トレンドラインの理想の傾きは45°
最も理想的なトレンドラインの傾きは45°とされています。
トレンドラインにおける45°という角度が表すのは、価格と時間とが均衡を保ちながら上昇、下降していることです。
かの有名な投資家W.D.Gannは、投資哲学から導き出した独自のテクニカル分析の総体系「ギャン理論」にて、45°のラインは長期トレンドを意味すると述べています。
多くのトレーダーも45°のラインを主要なトレンドラインと考えています。
次は、トレンドラインの持続性について見ていきましょう。
②トレンドラインの持続性
上昇トレンド・下降トレンドとは言っても、そのトレンドラインには角度・長さそれぞれです。
トレンドラインと為替チャートの位置関係によって、トレンドの持続性が変わってきます。
ここで注目したいのが・・・・
- a.トレンドラインが何回機能しているか
- b.トレンドラインがどれほど続いているか
この2点。
この2点が大きくトレンドラインの重要度を決定します。
a.トレンドラインが何回機能しているか
トレンドラインは始点と2点目を結んでで引けるラインですが、中にはそれ以降何度もトレンドライン上で反転を繰り返し、ブレイクしないラインがあります。下の図のようなものですね。
このように何度もトレンドライン上で反転を繰り返すラインは非常に重要度が高いです。
何度も反転を繰り返していれば、チャートを見ているトレーダーたちがそのトレンドラインの存在に気づき、意識が集中してきます。
そこで、再び為替レートがトレンドラインに近づくと、上の図の下降トレンドを仮定した場合、トレーダーたちは
「ここでまた反転するから売りに入れよう!」
「逆に買いにポジションをもって、ブレイクさせよう」
という思惑が重なり合い、重要なトレンドの転換期になる可能性が高いです。
b.トレンドラインがどれほど続いているか
aに加えて、どのくらいの期間トレンドラインが機能しているのかも、重要度を決めるうえで非常に重要な着眼点になります。
ここで1つ、初心者が陥る失敗として、短い時間足だけでしかトレンドラインを引かず、実際の主要トレンドを捉え間違うことがあります。
下の図は同時刻の15分足(上の画像)と1時間足(下の画像)です。
上の画像の15分足では下降トレンドラインが引けるのに対し、下の画像の1時間足では上昇トレンドラインが引けていますね。
この場合意識すべきなのは1時間足。
長い時間足で引けるトレンドラインほど、主要なトレンドを示しており、持続性も期待できます。
15分足だけ見ていて「しめた!下降トレンドだから売りで利益ゲットだ」なんて考えた矢先に、上昇トレンドの波にのまれ、損失を出すことも多くあります。
また、長い時間足のトレンドラインほど重要度が高いため、そのトレンドラインが破られた場合は、今後のチャートの動き・トレンドが大きく変わる可能性があるので注意しましょう。
ここまではトレンドラインの見方について解説してきましたが、ここからは実際に利益を出すためのエントリー&決済のタイミングについて詳しく見ていきます。
③エントリーポイント
トレンドラインが引けたとしても、正しいタイミングでエントリー、決済が出来なければ意味がありません。
まずは正しいエントリーポイントの説明。
上昇トレンドラインの場合は、3回目以降のトレンドライン上にレートが乗り、割らずに折り返したタイミングが正しいエントリーポイントになります。
ここで、三回目以降と言ったのは、そもそも2点を結んでできるのがトレンドライン。
そのため、トレンドラインが引けたときにはすでに2回トレンドラインにレートが乗っているからです。
為替レートはその上昇トレンドに沿って動くので、そのトレンド内ではトレンドラインが最安値の指標です。
つまり、トレンドライン上にチャートが乗ったあと、転換するタイミングを狙いエントリーしましょう。
④決済のタイミング
FXにおいてエントリーポイントを見つけるより難しいのが、利確ポイントです。
実際、予想が当たり利益が出ていたのに、さらに利益が上がるのを期待し続け、利確ポイントを謝り損をするなんてことは初心者にありがち。
トレンドラインを正しく使えれば、利確の際に変な期待もせず、目に見える情報だけを使い、確実に利確できます。
トレンドラインとはチャートの流れを可視化したものです。つまりトレンドラインを割らない限り、その流れが変わることはありません。
上昇トレンドラインの上もしくは下降トレンドの下においてチャートが激しく動こうと必ずトレンドラインに沿った流れに戻ってきます。
反対に、もしトレンドラインを割るということは、流れが大きく変わる可能性を示します。
つまり、利確ポイントはこのトレンドラインを割ったタイミングが最適です。
トレンドラインのブレイクは一連の流れの終わりを示すだけであり、流れが必ず反転するとも限りません。
FX初心者には、ブレイクをトレンド転換の確定ポイントと勘違いしがちですが、必ずしもトレンドが転換するわけではないので、気を付けましょう。
ここまで、トレンドラインの引き方、手法を説明してきました。
実際FXで稼いでいるトレーダーの取引チャートを見たことがある人もいるかもしれませんが、彼らのチャートにはトレンドラインだけでなく様々なラインが引かれています。
どんなラインを用いてチャートを分析するかはトレーダー次第。
次は、そんな分析で用いるラインの中でトレンドラインと相性抜群な「水平線」について紹介します。
トレンドラインと相性抜群!水平線を併用しよう
トレンドだけでなく、水平線を併用して使うことで、より精度の高い分析、トレードが可能になります。
水平線とは・・・
・値動きが同じ価格で何度も切り返し
・上昇・下降の勢いが失われる価格の停滞域
・この価格域に対し、水平に引いた直線
のことを言います。
例えば今の説明だけでは、このように非常に多くの線が引けてしまいますね。
初めの腕慣らしとしては必要な過程ですが、実際のトレードをするとなるとここまで線が多いのは邪魔になります。
そこで、より意味のある水平線を残すために、2回以上機能した水平線を残しましょう。
赤い丸で囲った部分が
- 値動きが何度も切り返し
- 上昇・下降の勢いが失われ停滞した価格帯
に当てはまります。
また、もう1つ水平線を引くコツとして、トレンドラインと同様に長い時間足で引けるラインを意識しましょう。長い時間足で引ける水平線の方が、より機能する可能性が高いです。
トレードスタイルによって短い時間足をメインに取引する場合でも、長い時間足での水平線を用いることで、値動き・トレンドの全体像を把握すべきです。
それでは、水平線の使い方を説明していきます。
サポートラインとレジスタンスライン
上の図のように、2本の水平線があり、その中にチャートが収まっていたとします。
この場合、下の線をサポートライン、上の線をレジスタンスラインと言います。
-囲い枠(補足)
サポートラインとは
サポートラインは、現在相場において買い圧力が高い価格帯を指します。
買い圧力が高いとは、このサポートライン付近まで値下がりしても、反転してチャートが上昇する可能性が高いということ。
つまり、サポートラインの手前で「買い」注文を入れることで、反発上昇による利確を狙う手法が使えます。
逆に、サポートラインで反発せずに、割り込むこともあります。
サポートラインを割った場合、本来強かった買い圧力を吸収したことになるので、相場が下落する可能性が高くなります。
この時は、持っていた「買い」ポジションは売り払い、新たに「売り」を入れて利益を得るという判断が必要です。
レジスタンスラインとは
レジスタンスラインとは、売り圧力が高い価格帯を示します。
考え方はサポートラインの真逆で、レジスタンスラインまでレートが上がった場合も、反転してチャートが下落する可能性が高いということ。
つまり、レジスタンスライン付近で、「売り」注文を入れ、チャートが下落して利確という手法が使えます。
サポートライン同様、反発せずに割り込んだ場合は、相場が上昇する可能性が高くなります。
この場合は持っていた「売り」ポジションは決済し、「買い」注文を入れる判断が必要です。
また、サポートラインが割り込まれた場合、もしくはレジスタンスラインが割り込まれた場合は、次はサポートラインはレジスタンスラインに、レジスタンスラインはサポートラインに変わります。
上の図はレジスタンスラインが割り込まれ、サポートラインに変わったパターン。
このようにレジスタンスからサポート、サポートからレジスタンスと役割が変わることは非常に多いです。
ラインが割り込まれた後も、役割が変わりラインは機能し続けるため、引いた水平線はできるだけ残しておくといいですね。
水平線を用いたチャート分析も、単体では不完全な手法。
しかし、トレンドラインと組み合わせることでより手法として意味を成し始めます。
トレンドラインと水平線の組み合わせ分析
トレンドラインだけでも、上昇トレンドや下降トレンドの場合、ある程度今後の相場の動きを推測することが出来ます。
しかし、相場において多くを占めているのは、トレンドのないレンジ相場です。
トレンドが発生していないため、トレンドラインだけではレンジ相場の動きを予測できず、売買タイミングが掴みづらくなります。
ここで水平線を使えば、レンジ相場とは言っても値動きは常に起きているため、サポートラインとレジスタンスラインを用いたトレードが可能です。
上で説明したサポートライン・レジスタンスラインを用いたトレード手法で大きい相場の動きがなくとも、利益を得ることが出来ます。
また、水平線をブレイクした場合、トレンドラインがより意味を持ち始めます。
全体で上昇トレンドにあったとしましょう。
下の図はトレンドライン・水平線をチャートに書き込んだものです。
このチャートでは簡易化して書いていますが、全体として上昇トレンドにあります。また、チャート上部にレジスタンスラインが引かれています。
レジスタンスラインは基本的に、ライン際で上昇トレンドが転換することが予測されると前の部分で述べましたね。
もし転換した場合は、トレンドラインまたはサポートラインまでチャートが下がると予測が可能。
さらに、トレンドライン付近まで下がり転換した場合は、上昇トレンドは維持されており、レジスタンスラインまで再び上昇すると考えられます。
一方で、もしレジスタンスラインを割った場合、これは一層上昇トレンドが強まり、この後も持続すると考えれます。
下降トレンドの場合も、今説明した上昇トレンドと逆の考えをすれば大丈夫です。
ここまでトレンドラインを用いた分析、さらには水平線を併用したより精密な分析について説明してきました。
もちろんトレンドラインはFXで勝つための1つの手法ですが、このトレンドラインも100%機能するわけではありません。
そのため、万が一予測とは逆に値動きした場合、可能な限りの損失は押さえたいところ。
そこで最も必要になるのが「損切り」、この「損切り」の知識はトレンドラインに限らず、FXで稼ぐために必要不可欠です。
それでは「損切り」について解説していきます。
損切りが最重要「ダマシへの対応」
上昇トレンドラインにチャートが接着したときに必ずロングエントリー、下降トレンドラインにチャートが接着したときに必ずショートエントリーをするとします。
このようにすれば、FXで利益をあげることはできるでしょうか?
損切りの設定がないとまず負ける
先に言えることは、損切りを設定しないとトレンドラインでFXしても必ず負けるということ。
そもそも、損切りをしなければ・・・証拠金がすべてなくなるまで値が損失方向へ動く可能性を排除できません。
簡単に言うと、損切りしないトレードを繰り返しているといつか必ず負けるということ。この可能性は数学的にほぼ100%です。
いくら勝っていようと、いくら証拠金を持っていようと、最後に1回だけ強制ロスカット負けになることを意味しますが・・・。
つまり損切しないでトレードを続けるということは、必敗を意味するわけですね。トレンドラインどうこう以前の話となってしまいます。
ということで、FXで勝つためには損切りをすることが必須です。
さて、それではこの損切の幅をいくらに設定すればいいでのでしょうか?
これは簡単に設定することができません。
・・・というのも、チャートにはダマシという値動きがあるからですね。これを考慮すると、損切りをいくらに設定すればいいかというのが複雑になってきます。
FXのダマシとは?
ダマシとは、FXの為替レートがトレンドラインに接着したにも関わらず、トレンドラインを突き破り(ブレイク)トレンドが転換したと思いきややはりトレンドは転換しておらず、トレンドライン内まで為替レートが戻ってくることです。
この画像の例では、下降トレンドラインに為替レートが接着していますが、そのまま上昇で突き破りブレイクアウトしていますね。
ここだけ見ると、下降トレンドは上昇トレンドになったように見えます。
しかし、結局レートは上がらず急下降、元のトレンドラインより下の下降トレンドに戻り、そのままトレンドは継続していますね。
FXはこのようなダマシが多いです。
ダマシと聞くとFX相場を特定の誰か(大きな投資機関など)が値を動かしてトレーダーを騙しているようですが、特にそのようなことを考える必要はありません。
ダマシが起きた場合、一時的な含み損さえやり過ごせば、ポジションはプラスに転じます。
トレンドに乗ったのは正しかったということなので、ポジションを離してしまうと損失だけ残るのよくないですよね。
ここで大事になるのが損切りの設定です。
ダマシに対応できる損切り幅を設定する
損切りの設定はFXチャートの時間足にもよりますが、目安としては1~4時間足で30pips~50pipsで設定しましょう。
この損切り設定で損失が大きくなる場合は取引高=枚数(lot)を減らし、あまり多くのダマシに引っかかるようなら損切りの設定を50pips~100pipsという具合に幅を広げてみましょう。
損切りができることはFXで稼ぐには必須なので、必ず設定すべきです。
それでは、トレンドラインを使う上で、実際にチャート上にどのように引くのかを説明しましょう。
MT4の使い方、ラインの引き方
それでは実際にトレンドラインの引き方を詳しく説明していきましょう。
今回はMT4(※)のツールを使います。
※MT4:世界最強のFXの分析ツール
チャートで見る時間足は、4時間足。理由は最もトレンドラインが綺麗に出るからで、その分エントリーで利益が出る信頼性も高まります。
4時間足で綺麗にトレンドラインが引けない場合は、日足にチャートのスケールを切り替えてみましょう。
MT4でトレンドラインを引く
MT4の画面から、挿入タグからラインにポインターを合わせるとトレンドラインというのが出ます。
これをクリックすると、どこからどこまででトレンドラインを引くか選べるようになります。
トレンドラインがうまく出そうなFX相場を選び、左クリックを押したままカーソルを動かしましょう(ドラッグ)。するとラインが出てきます。
このトレンドラインはスマホのMT4ツールでも引くことができます。
チャートを見る媒体としてはパソコンが普通でしたが、最近ではスマホで取引する人も増えています。
- スマホアプリのMT4をインストール
- 海外FX口座のIDとパスを入力
それでは、スマホアプリ版MT4でのトレンドラインの引き方を紹介。
スマホのチャートアプリでMT4を使う
スマホのMT4でトレンドラインを引くには、まず画面をタップしてメニューを出します。
右下の、下から3番目のアイコンをタップ。
続いて左上の斜線をタップ。
FXチャート画面の好きな場所でタッチ・スライドするとトレンドラインが引けます。
これでPCでもスマホでもトレンドラインを参考したFXができますね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本文で話したように、トレンドラインはFXトレードにおける順張りエントリーの基本。そして順張りエントリーはFXトレードの基本でもあります。
もう少し言うと、トレンドラインがFXの基本だということは、このトレンドラインを参考にエントリーするFXトレーダーが多いということですね。
指標は参考にするトレーダーが多いほど、そのように相場が動くという信頼性があります。
その理由は、FXの相場はFXトレーダーの売り買いの総量で決まるため。
トレンドラインのFXをしっかり身に着け、是非今後のトレードに役立ててみてください。