両建てをFXでする意味とは?
- 「FXの両建てとは?」
- 「両建てって本当に必勝法?」
こんな疑問をお持ちではないですか?
「両建て」は、投資のプロも実際に使う手法です。勝つために有効な手法だと言えますね。
ただし!あくまで効果的に使えばの話であり、やみくもに両建てしていても勝ちにはつながりません。
使い方を間違えると必勝法にならないばかりか、FXの勝率を下げることにもつながります。勝つためには両建てのメリットデメリット、そして効果的な使い方の理解が欠かせません。
そこでこのページでは、
- 両建ての効果的な使い方
- 両建てを駆使した3つの必勝法
について見ていきます。
目次
まず「両建て」とはどういう手法なのか見ていきましょう。
両建てとは?
FXの両建てとは、「買い」と「売り」のポジションを同時に持つ事です。
「買い」と「売り」のポジションを同時に持つと、相場がどちらに転んでも利益をだすことができます。
- 予想が当たっていた方:利益確定
- 予想が外れていた方:損切り
利益確定額>損切り額=利益が出るという算段です。
難しい事ではありませんよね。
それでは買いと売りの両方を立てることを原理原則とする両建てがどうしてFXの世界で必勝法と言われるのか、その点についてこれから見ていこうと思います。
FXの世界で必勝法と言われる理由
FXで勝てない理由は「相場予想が当たらない」の一択しかありません。両方向に予想する両建てでは、必ず予想が当たりますよね。無論、もう片方は外れますが。
「両建てを利用すれば為替相場がどちらに動いても利益が狙える」というのが結論です。
為替相場は上がるか下がるか
極論になりますが、FXの勝敗を決める為替相場というのは結局のところ、上がるか下がるかです。
この上がる、下がるを見極めることができるFXトレーダーならば必勝法なんてなくても勝てますが、相場の動きは「神のみぞ知る世界」です。
神ではない普通のトレーダーが勝つためにはやはり必勝法を探すしかありません。
その際にポイントになるのが、為替相場が上がっても下がっても勝てるような工夫をすることです。そのために買いポジションと売りポジションを絶妙なバランスで立て、相場が上がっても下がっても利益が出るような工夫をすることがFXの必勝法になります。
理論上は両建てがFXの必勝法になる理由をご理解頂けたのではないでしょうか?
続いて、両建てを必勝法に近づけるためのマル秘テクニックをご紹介したいと思います。
効果的に両建てを使う3つのテクニック
両建てについての基礎知識と「なんとなく使えそう」というイメージは伝わったと思います。
ここからは
効果的に両建てを使うテクニックについて見ていきましょう。両建てはいくつもポジションを持つ手法で難しい事もあり、今回は難易度順に並べました。
- 難易度1.トレンド相場で使う
- 難易度2.ナンピンとの併用
- 難易度3.マーチンゲール法との併用
まずは【難易度1】トレンド相場での両建てから見ていきましょう。
難易度1.トレンド相場で使う
トレンド相場とは、一定方向に流れている相場の事です。「トレンド相場での両建て」とはどのような手法なのでしょうか。
こちらも図を使って見ていきましょう。
今回はわかりやすいように上昇トレンドの場合を考えていきます。
上昇トレンド相場の条件は、
- 高値が前回の高値を上回る
- 安値が前回の>安値を上回る
ですよね。
例えば、あなたが下の位置で買いポジションを持ったとします。
そのまま上昇すれば利益がでます。当然トレンドの上昇を期待しますよね。
しかし少しの含み益を得たまま、相場は下落。このままでは含み益が、減っていきいずれ含み損へと変わってしまいます。
ここで「両建て」です。
売りポジションを持つ事で下落のダメージはなくなります。
このまま下落が続けば、「買いの損失」が膨らむ一方で「売りの利益」が増加します。つまりプラスマイナス0です。
相場がもし上がってきたら、売りを決済。さらに相場が上がった所で買いも決済します。
万が一下がっても、両方同時に決済してしまえばプラスマイナス0ですよね。
この方法はFXにおいて非常に有効です。注意点としては、手数料(スプレッド)が倍かかってしまう事です。コツは、ある程度利益が見込めるタイミングで行う事です。
この手法は売りと買いのタイミングがバラバラなので、ある程度慣れてからにしましょう。
続いて、ナンピンと両建ての併用を見てきましょう。
難易度2:ナンピンを使う
両建ての質を高める2つ目のテクニックはナンピンの利用を心がけることです。
ナンピンとは何か、そしてナンピンを利用した両建てがどうしてFXの世界で必勝法になるのかについてこれから見ていこうと思います。
ナンピンとは?
「そもそもナンピンって何?」
こんな疑問をお持ちではないでしょうか?
「ナンピン」というのは為替相場の変動に応じて、その都度保有ポジションを増やすことを指します。
例えば1ドル=110円の時に300ドル買ったとしましょう。ドルの価値が上がっていけば利益ですね。
しかし予想に反し、1ドル=106円にまで下がってしまいました。
1ドル=110円にまで上がらない限りは、FXで発生する損失を補填することはできません。
ここでナンピンです。
1ドル=106円の時点で、追加の300ドル分を買い足すとどうなるでしょうか?
つまり、あなたが保有しているドルは、
- 1ドル=110円の時に購入した300ドル
- 1ドル=106円の時に購入した300ドル
の2種類です。
ちなみに1ドルあたりの平均単価は(110円+106円)÷2=108円にまで下がります。
つまり2円上がるだけでこれまでFXで積み重なった全ての損失が補てんできるとともに、1ドルの購入単価がだんだんと下がるのです。
FXトレーダーにとって非常に都合が良いと思いませんか。これがナンピンの原理原則です。
このナンピンを両建てというFXの世界における必勝法と絡めて有効活用するためには何をすればよいのかについて見ていきます。
ナンピンを両建てに活かすには
外貨の購入単価を下げる役割を持つナンピンを両建てと絡めながら効果的に活用するコツは、徐々に「売りポジション」と「買いポジション」の両方を増やすことです。
要は先ほどの「トレンド相場での両建て」です。
買いポジションをもっているのに下がっている相場を想定して下さい。
この時、「買いポジションをナンピンしつつ(平均購入額をさげつつ)売りポジションでこまめに利益を出す」この手法が活用できれば勝つことができます。
売りポジションでこまめに利益を出し、相場が上がってきた時に買いポジションでも利益を出す事が出来ますよね。
二重の利益を出せる事から、プロの投資家も使用しています。
基準単価とチャートの整理
このナンピンを利用した両建ては必ず勝てるわけではありませんが、ほぼ確実に勝てるので必勝法になりえます。
ただし、このナンピンと両建てを使ったFX手法をFXの必勝法にするためには利用通貨の基準単価とチャートの値動きの確認が欠かせません。
これを怠ってただ漠然と保有通貨数を増やすと相場の動きに合わない両建てを行うリスクがあります。
そこでもしあなたがナンピンを使って両建てというFXの必勝法の成功確率をあげたいのでしたら相場の流れと基準単価のチェックが必要になります。
最後に、マーチンゲール理論について見ていきます。
難易度3:マーチンゲール理論
3つ目の両建てという必勝法の勝率をあげるコツはマーチンゲールという理論を使う方法です。
そもそもマーチンゲールとは何者であり、マーチンゲール手法を利用することがどうして両建てという必勝法の成功率をあげるのかについてこれから見ていきます。
マーチンゲール理論とは?
端的にマーチンゲール理論の特徴をまとめると以下の3点です。
- 相場のアップ、ダウンを予測する
- 予測を外せば掛け金を倍にする
- 決済タイミングを均一にする
上記の条件を満たせば基本的に勝ててしまうトレードテクニックです。
単純ですが理にかなっているテクニックですよね。
具体例とともに見ていきましょう。
具体的な該当ケース
例えば、1円の為替の上昇で決済すると決めたとします。
この場合仮に相場の予測を外せば、1円×保有通貨数分の損失が発生します。ここまではお分かりいただけると思います。
その上での話になりますが、仮にあなたが1ドルのレートが110円の時点で1,000ドルを買い、ドルの単価が1円下がった時に売却をしたとします。
この場合、1ドルあたり1円の損失が発生する以上、1,000ドルで1,000円の損失が発生します。
ここで、マーチンゲール手法の登場です。
買い足しルールを適応させる
このケースでは損失が発生する以上、先ほど定めた買い足しルールに該当します。
そこで既定のルールの通りに決済金額を1円の値上がり時点とした上で1,000ドルの倍の2,000ドルを買うことになります。
運が良く2,000ドルを購入した後に1円の値上がりが発生した場合、2,000ドル×1円で2,000円の利益が出ます。
先ほど発生した損失額が1,000円である以上、FXのトータルでの損益はプラス1,000円になります。
2連敗するとどうなるのか?
次に2,000ドル購入時のFX取引で負けるケースを考えてみます。
この場合、トータルで(2000ドル+1,000ドル)×1円の計算式で算出される3,000円の損失が発生するケースを考えてみます。
2回目が終わった時点で、3000円の損失がでています。
先ほどと同じように2,000ドルの倍の4,000ドル分のFXトレードに取り組むことになります。
そしてその際に1円の利益が発生した時に売れば、4,000円の利益が発生することになります。
これまでの損失額が3,000円である以上、十分にこれまでの敗北分を回収できてしまいます。
3回目で勝った場合 | 勝敗 | 損益 |
---|---|---|
1回目 | 負け | -1,000 円 |
2回目 | 負け | -2,000 円 |
3回目 | 勝ち | +4,000 円 |
トータル | +1000 円 |
このように1回でもFXトレードで勝てば、最終的な損益が+になるというのがマーチンゲールの本質です。
そんな特徴を持つマーチンゲール手法をFXの世界で必勝法と言われている両建てに応用するとどうなるのか見ていきます。
両建てに応用する
両建てというFXの世界における必勝法にマーチンゲールを応用する際の概要はこのようになります。
- 最初にどちらかのポジションを同額立てる
- 予測が外れれば買いと売りに倍額投資する
- 決済価格を決める
この3つを永遠と行うだけ。
この3つを行うのがどうしてFXの世界において必勝法である両建ての効果を強くするのかについてこれから考えていきます。
1回決済が行われば利益になる
この見出しにあるようにマーチンゲール手法を利用したFX手法のメリットは1回決済が行われた時点で利益が確定することです。
例を使ってご説明します。
1ドル=100円の時に10ドル分(1000円)の買いポジションをとったとしましょう。
そして、利益確定ポイントを1ドル=101円に設定しました。
予想通り101円にまでドルの価値が上がれば、10円の利益が発生しますね。
これが理想的ですが、予測に反して為替相場が値下がりしたとします。
例えば1ドルのレートが1円下がり、99円となった場合、買いと売りのポジションに20通貨ずつさらに持つようにします。
すると、あなたの持っているポジションは
- 1ドル=100円の時の10ドル(買い注文)
- 1ドル= 99円の時の20ドル(買い注文)
- 1ドル= 99円の時の20ドル(売り注文)
ですね。
理想的なケースとして1ドルの単価が値上がって101円になったとします。
この場合、ドルの価格が101円になった時点で
- 1ドル=100円の時の10ドル買い→10円利益
- 1ドル= 99円の時の20ドル買い→40円利益
- 1ドルー 99円の時の20ドル売り→40円損失
で、10円の利益が出る事になります。
このマーチンゲール手法を利用する事で、利益を出す事ができます。
予想を外し続けても問題ない
逆に値下がりが続いた場合は、上と同じように1円の値下がりが発生する度に売りと買いの両方を前立てたポジション数の倍立てるようにします。
これを行うとどうなるかというと、途中で何度負けても為替相場が1度でも101円になった時点で利益が確定するのです。
つまり資金ショートさえしなければ途中で負けても1回希望の金額になれば全てペイができるので必勝法になり得るのです。
両建てを使った必勝法として、
- トレンド相場
- ナンピン
- マーチンゲール法
を見てきました。
一見最強のFX手法にも思える「両建て」ですが、もちろんデメリットも存在します。
デメリットを把握した上で使いこなしていくのが真のトレーダーです。
しっかり最後まで読むことをおすすめします。
両建てをFXでするデメリット
これまで両建てがFXの必勝法になりうる理由と両建てを完璧な必勝法に近づけるためのコツについて見てきました。
おそらくここまでの内容に目を通したあなたは「両建てがFXに役立つことは分かったけど、課題はないの?」といった疑問をお持ちかもしれません。
そこでここからはFXの世界で必勝法の1つとして注目される両建ての課題について見ていきます。
スキャルピング型のトレードには不向き
FXの世界で必勝法とよく言われる両建ての1つ目の課題というのはスキャルピングをはじめとした短期型のトレードに向かないことです。
なぜならFXの世界では長期型のトレードであろうとスキャルピングのような短期型のFXであろうと必ずスプレッドがかかります。
両建てをすると、スプレッドが2倍になってしまいます。
つまり大きな値上がりが見込めない超短期のトレードで両建てを行うとトレードの利益がスプレッドのコストを下回る事態が起こりえます。
現に数分~10分程度のトレードを繰り返すスキャルピング型のFXの場合、1回のトレードで見込める1通貨あたりの利益はせいぜい10pip(10銭)程度。
安定して10pipの利益が出れば十分にスプレッドはペイできますが、それだけの利益が出ない場合、「利益-スプレッド」がマイナスになりうる取引も発生しえます。
それに取引手数料がかかるようなFX口座の場合、さらなるコストの発生も見込めます。
スプレッドや取引手数料といった取引コストを考えると、FXの必勝法と言われる両建ては短期型のFXでは必勝法にならないばかりかマイナスなものになりえます。
スワップポイントで損をする
2つ目の両建てという必勝法の課題はスワップポイントで利益を減らす恐れがあることです。
FXで両建てを行うとスワップ金利が>プラスになるポジションとマイナスになるポジションを同時に立てることになります。
その結果として本来ならば得られたであろうスワップ金利を手に入れることができなくなることが考えられます。
これはスワップポイントという本来得られたであろう利益をドブに捨てることに繋がります。
両建てはトレードの必勝法として注目を集めていますが、スワップ金利が手に入らなかったり、手に入る額が下がる以上、利益の最適化にはつながりません。
FXの世界におけるプチ必勝法ではありますが、利益率においてはあまり優れた手法とは言えないのです。
初心者は、「相場の流れをつかむ」事に重きを置いた方が良いです。両建てしてポジションを持ち続ける事はストレスにもなりますし、「予想が外れたら損切りしてリスクを減らす」事が基本です。
損切りが上手にできない方には、下の記事がおすすめですので参考にしてみると良いかと思います。
複数の必勝法の掛け合わせの勧め
このページではここまでこういった内容について見てきました。
- FXの世界で両建ては必勝法になるのか
- 効果的に売りと買いを立てる方法
- 両建てという必勝法の限界
ここまでの内容の総論になりますが、両建てには課題がある以上、必勝法にはなりえないにせよ、FXの勝率が上がるのは事実。
そこでもしあなたがFXの勝率をあげたいのでしたらFXの世界において「プチ必勝法」である両建てを使うメリットは十分にあります。
その上での話ですが、FXの世界におけるプチ必勝法は両建て以外にもたくさんあります。
1つのFX手法は完璧な必勝法になりえない以上、複数のプチ必勝法を知っておくことはFXの勝率をグンと高めます。
そこでこのページの最後に両建て以外のFXの世界における必勝法についてまとめているページをご紹介しようと思います。
こちらのページではFXの世界における3種類の主な必勝法を取り上げているのでFXで確実に勝てる必勝法をお探しでしたら参考になるはずです。